2003 Fiscal Year Annual Research Report
川崎病発症に関与するトールライクレセプターファミリーの解析と治寮への応用
Project/Area Number |
15591116
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
西村 真二 佐賀大学, 医学部, 助手 (30346895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱崎 雄平 佐賀大学, 医学部, 教授 (10172967)
石井 榮一 佐賀大学, 医学部, 助教授 (20176126)
在津 正文 佐賀大学, 医学部, 助手 (10346877)
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Keywords | 川崎病 / 冠動脈病変 / CD14 / Toll like receptor / VEGF / HGF / polymorphism |
Research Abstract |
CD14プロモーター領域の遺伝子多型と川崎病冠動脈病変発症の研究結果をThe Journal of Pediatrics(2003;143:357-62)に報告しました。以下に要点を記載します。対象は、佐賀地区で診断、治療された川崎病患者で、本研究に同意の得られた川崎病67例、対照69例です。川崎病例においては、急性期の検査所見、有熱期間、GG(γグロブリン)の総投与量、冠動脈病変、発症1年後以降の後遺症の有無について検討しました。また、GG投与前の16名の川崎病患児の血清にて、sCD14、TNF-α、VEGF、HGFをELISA法にて測定しました。急性期の検査所見では、有熱期間(CC6.9日、CT6.8日、TT8.2日)はTTにて高い傾向があり、CRP(CC10.8mg/dl、CT11.6mg/dl、TT13.9mg/dl)はCCに対してTTは有意に高値でした。治療については、全例アスピリンは使用しており、GGの総投与量は3群間に差はありませんでした。冠動脈病変、後遺症はTTに多くみられ、GG未使用で冠動脈病変ありの例もTTに多くみられました。 以上の結果をロジスティック回帰分析にて検討したところ、冠動脈病変合併例は、CC3名、CT4名、TT10名で、TTのオッズ比は4,05で、後遺症例ではTTのオッズ比は6.61と更に高値となりました。また、Tアレルを持つことも、オッズ比は2.20と高値でした。 GG未使用例を除く、55例で同様の検討を行いました。TTのオッズ比は、冠動脈病変では3.97、後遺症では、7.08と高値でした。Tアレルを持つことも、冠動脈病変では2.22、後遺症では5.49と同様の傾向でした。サイトカインの検討では、sCD14、TNF-α、HGFはいずれもTTが高い傾向にあり、VEGFについては、TTが有意に高値でした。以上より、TTは、川崎病の重症化あるいは、冠動脈病変発症、後遺症の残存との関連性が示唆されました。
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Research Products
(1 results)