2003 Fiscal Year Annual Research Report
熱性痙攣患児におけるIFNa産生能とToll-like receptor-3遺伝子多型
Project/Area Number |
15591117
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
松尾 宗明 佐賀大学, 医学部, 助手 (20219398)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 健介 東京大学, 医科学研究所・感染遺伝学分野, 教授 (60229812)
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Keywords | 熱性けいれん / Toll-like receptor / 2本鎖RNA / IL-1 / IFN-α |
Research Abstract |
熱性けいれんは小児のけいれんの原因疾患として最も多い。家族内での発生も多いことから遺伝要因も大きいと考えられているが、その発生機序は不明である。熱性けいれんは、発熱の初期に多く、時には発熱に先行することから発熱自体よりも発熱の原因物質が発症に関係している可能性が大きい。熱性けいれん患児ではウイルス感染時に産生される発熱物質(IL-1β,IFN-α)が多いのではないかという仮説のもとに、熱性けいれん群(FS)27名(平均年齢3.6歳)と対照群(C)18名(平均年齢3.4歳)より採血し、白血球を分離。ウイルス感染時と同様2本鎖RNAで刺激(実際は合成物であるpolyI:C100μg/mlで刺激)し、培養上清中のIL-1β,IFN-αの濃度をELISA法で測定した。IFN-αは、FS群で1.95±0.59pg/ml,C群で6.81±0.90pg/mlとむしろ対照群のほうが高値であったが、IL-1βは、FS群で703.7±253.7pg/ml,C群で112.1±26.4pg/mlと有意に(p<0.0001)熱性けいれん患児で高い傾向が認められた。単純型熱性けいれん群と複雑型熱性けいれん群との比較では有意な差は認められなかった。以上の結果は、熱性けいれん群ではウイルス感染時のIL-1β産生能が高く、その結果産生されたIL-1βが中枢神経細胞を刺激しけいれんを誘発している可能性を示唆している。
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