2004 Fiscal Year Annual Research Report
変異aprataxin cDNA導入培養ラット末梢神経における軸索障害
Project/Area Number |
15591119
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
舘 延忠 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (80136944)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 利春 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50167706)
小塚 直樹 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (90225459)
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Keywords | aprataxin / 変異aprataxin cDFNA導入 / 培養ラツト末鞘神経 / 軸策変性 |
Research Abstract |
Friedrich失調症に類似し小脳萎縮、末梢神経障害、眼球運動失行、低アルブミン血症を示す疾患(EOCA-HA)をKoeingらとの共同研究で原因遺伝子aprataxinを同定した。EOCA-HAの3家系6例全てにaprataxin遺伝子変異689insTをhomozygoteに見いだした。今回見いだされたaprataxin遺伝子変異689insTが末梢神経の発生過程で軸索変性への関与を培養神経系を用いてaprataxin遺伝子および蛋白発現を解析した。689insT変異aparataxin cDNAの作製はPCRによるsite-directed mutagenesis法を用い689insT変異aprataxincDNAを作製した。組み換えアデノウイルス作製はGrahamらの系を用い野生型と689insT変異apratxin cDNAが挿入されたアデノウイルベクターを得た。ラツト培養神経細胞の作製は、胎生16日の胎児ラツトの後根神経節を用いた。髄鞘形成は坑Po抗体を用いてavidin-biotin-peroxidase法にて確認した。培養神経細胞に689insT変異aprataxin cDNAを組み込んだアデノウイルスと野生型aprataxin cDNAを組み込んだアデノウイルスを感染させ、髄鞘形成、軸索を免疫組織化学および電顕を用いて形態学的に解析した。 結果:野生型aprataxin cDNA導入神経と変異aprataxin cDNA導入神経との間に軸索のsprouting、髄鞘形成には、差を認めなかつた。電顕所見では、髄鞘の形成異常および軸索の変性所見は、両者に認めなかつた。少なくとも、末梢神経の初代培養では、変異aprataxin遺伝子が末梢神経障害を示唆する所見は認めなかった。EOCA-HAの症例は4および5歳頃から小脳失調が出現し徐々に増悪し歩行不能になる。20歳頃より、末鞘神経障害を示唆する遠位筋群の筋力低下と筋萎縮、知覚が出現し進行する。その病理過程は軸索変性である。今回、用いた神経培養は初代培養より、神経発生早期の段階では異常を認めなかつた。今後、変異aprataxin cDNAを導入したtransgenic mouseを作製して、成熟した神経の段階での変性所見の有無の解析が必要である。
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Research Products
(5 results)