2004 Fiscal Year Annual Research Report
免疫抑制剤と神経型一酸化窒素合成酵素阻害剤の併用療法による新生児脳保護法の開発
Project/Area Number |
15591135
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
武井 章人 東京医科大学, 医学部, 講師 (20256259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見 剛 東京医科大学, 医学部, 助手 (20287147)
齋藤 哲也 東京医科大学, 医学部, 助手 (10384968)
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Keywords | hypoxic-ischemic brain damage / FK506 / 7-nitroindazole / neuroprotection / dose dependency / therapeutic time window / combination therapy / neonate |
Research Abstract |
本研究は,新生仔ラット低酸素虚血(Hypoxia-Ischemia,以下HI)脳障害モデルを用い,1)免疫抑制剤FK506単独療法の脳保護効果における用量依存とtherapeutic time windowを検討する,次に2)7NIと免疫抑制剤FK506の併用療法の優位性を確認することを目的とする. 日齢7のWister系ラットを使用した。イソフルラン麻酔下に頸部正中を約1cm切開し,Sugita aneurysm clipで左総頸動脈を可逆的に閉塞した.密閉チャンバー内で90分間8%酸素に保ち,低酸素性脳虚血(HI)負荷とした.総頸動脈閉塞開始から3時間後にクリップを解除し、創を閉鎖した.処置中,体温は37.0℃に保った.処置後は母ラットに戻した. HI負荷後FK506 2mg/kg投与は,対照群に対して有意な脳保護効果を認めた.低用量のFK506 1mg/kg投与では対照群との間に有意差が見られなかったことから,FK506の脳保護効果には用量依存性があると考えられた.FK506 2mg/kg投与群においてHI負荷直後およびHI負荷30分後投与群では対照群と比較して有意な脳保護効果を認めたのに対し,HI負荷60分後投与群では有意差が見られなかったことから,FK506の脳保護効果にはHI負荷後の治療開始時間に時間依存性があると考えられた. また,FK506 1mg/kg(低用量)および7NI 50mg/kgの単独投与では有意な神経保護効果は認めなかったのに対し,両者を併用することにより低用量でも神経保護効果が得られる事が示された.低酸素虚血による神経細胞死には多くのプロセスが関与している事が分かってきており,これに対する薬物療法として,免疫抑制剤+nNOS阻害剤の併用療法のそれぞれの単独療法に対する優位性が示された.
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