2005 Fiscal Year Annual Research Report
X連鎖自己免疫アレルギー調節異常症候群の病因遺伝子FOXP3とアレルギーとの関連
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15591142
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
柘植 郁哉 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (00231431)
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Keywords | IPEX / Foxp3 / 食物アレルギー / Th1,Th2サイトカイン |
Research Abstract |
Forkhead box p3(FOXP3)は、ヒトのX-linked autoimmunity-allergic disregulation syndrome(XLAAD)(あるいはimmune dysregulation, polyendocrinopathy, enteropathy, X-linked syndrome(IPEX)とも呼ばれる)の病因として同定されたforkhead familyに属する転写因子であり、Scurfyと名付けられた遺伝性リンパ増殖性疾患モデルマウスの病因であることも明らかにされている。近年、FOXP3の発現が制御性T細胞(Treg)の分化に必須であることが明らかにされ、その欠損による免疫系の調節障害が、ヒトおよびマウスでアレルギー、自己免疫疾患といった多彩な病像を示していると考えられる。一方、アレルギー性疾患の発症は、遺伝的な素因(疾患感受性遺伝子)と環境因子の複雑な相互作用により発症すると考えられており、こういった危険因子の解析が、急速に進みつつある。XLAADやScurfyは単一遺伝子疾患であり、変異に基づくFOXP3の完全欠失が、多彩で重篤な病態をもたらしていると考えられるが、本遺伝子の量的あるいは質的な個体差が、アレルギーの遺伝的素因となっている可能性も考えられる。本研究は、FOXP3およびTregのアレルギー発症に果たす役割を検証することを目的とするが、本年度も前年度に引き続きアレルギー性疾患患者を対象に、アレルゲン特異的に反応するT細胞のサイトカイン産生をフローサイトメトリーを用いて検討し、アレルギーの寛解導入に果たすTregの役割を検討するとともに、FOXP3遺伝子の多型とアレルギー性疾患発症との関連について検討した。その結果 1.アレルギー性疾患患者におけるアレルゲン特異的cytokine産生細胞の検討;主として食物アレルギー患者を対象に、アレルゲンで刺激した患者CD4陽性T細胞の増殖とサイトカイン産生をCFSEを用いたフローサイトメトリーにより検討し、患者ではアレルゲン特異的なT細胞の増殖が強い上にIL4/IFN-γ比で示されるTH2側への偏りにも異常が認められることを示した。一方、免疫療法により耐性を獲得した場合には、制御性T細胞のが関与する可能性が示された。 2.FOXP3遺伝子の多型とアレルギー性疾患発症との関連の検討;FOXP3遺伝子promoter領域の(GT)繰り返し配列多型をABI PRISM 3100 Genetic Analyzer (Perkin-Elmer)を用いて測定し、食物によるアナフィラキシーの発症頻度との関連を認めた。
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Research Products
(2 results)