2005 Fiscal Year Annual Research Report
遅発型オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症の発症前予知と発症予防に関する研究
Project/Area Number |
15591148
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
芳野 信 久留米大学, 医学部, 教授 (40080569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 英明 久留米大学, 医学部, 助手 (90309790)
渡邊 順子 久留米大学, 医学部, 講師 (40258489)
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Keywords | オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症 / 遅発男子例 / 遺伝疫学 / 予後因子 |
Research Abstract |
本研究の実績の概要は以下の通りである。 1.遺伝疫学的研究の結果 1)遅発型男子オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠損症症例10家系14名のOTC遺伝子解析の結果、変異はR40H(7家系10名)、Y55D(2家系2名)、R277W(1家系2名)の3種に収束するという結果を得た。その中でもR40Hが最も高頻度であった。 2)Y55D、R277Wについては検索できた家系では変異遺伝子はすべて母親からこどもに伝達していた。いっぽうR40Hについては、新生突然変異による症例の頻度は最高でも12%をこえないこと、また遺伝例では、母→こども伝達が10組に対して、父→娘伝達は3組にすぎなかった。これには、ヘミ接合体男子のreproductive lossがヘテロ接合体女性よりも高いことの関与が推定された。またヘテロ接合体女子中、2例が発症、本変異のヘテロ接合体女子は必ずしも予後がよいとは言えないことも明らかになった。 3)上記3種類の変異を簡便に検出する遺伝子診断の方法を検討、まずPCR産物のTm値の差異に基づく変異検出法を検討したが、再現性に乏しいため、現在、別法の開発を検討中である。 4)平行して実施した新生児発症3例の解析では、遅発例とは対照的にすべて家系ごとに異なる新奇の変異が同定された。 2.臨床的研究の結果 1)遅発型男子OTC欠損症症例の生命予後因子の解析の結果、リジン他8種類のアミノ酸濃度が予後因子として有意であることが明らかになった。 2)R40H変異を持つ患者の経過の分析から、早期診断、早期に安息香酸ナトリウムや塩酸アルギニン投与などの特異的治療を行うことによって生命予後が改善できる可能性が示された。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Late-onset Ornithine Transcarbamylase Deficiency in Male Patients : Prognostic Factors and Characteristics of Plasma Amino Acid Profile2006
Author(s)
Harada E, Nishiyori A, Tokunaga Y, Watanabe Y, Kuriya N, Kumashiro R, Kuno T, Kuromaru R, Hirose S, Ichikawa K, Yoshino M
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Journal Title
Pediatrics International 48
Pages: 105-111
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