2003 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレス応答因子Nrf2が角化細胞と色素細胞の分化・紫外線反応に果たす役割
Project/Area Number |
15591167
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
川内 康弘 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (00272196)
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Keywords | Nrf2 / UVA / UVB / アポトーシス |
Research Abstract |
活性酸素等の酸化ストレスは、多くは細胞障害性に作用し、細胞死や癌化、老化の原因になると考えられている。これに対し、生体は酸化ストレスを中和し、生体を酸化ストレスから保護するしくみも用意している。酸化ストレス応答系Nrf2-Keap1は、細胞が酸化ストレスに暴露されると活性化し、抗酸化・生体防御蛋白であるグルクロン酸転移酵素やグルタチオンS転移酵素遺伝子等の発現を活性化する主要な経路として同定された。Nrf2は、酸化ストレス応答遺伝子の転写調節領域(酸化ストレス応答配列:ARE)に結合する転写因子であり、通常は細胞質内で抑制蛋白であるKeap1と結合して不活性化されているが、親電子物質などの酸化ストレスがかかるとKeap1との結合が解除されて活性化し、細胞質から核内移行し、上記の酸化ストレス応答遺伝子の転写を活性化させる。 本年度は、皮膚線維芽細胞に対する紫外線照射により、Nrf2が活性化されるか、活性化されるとしたらその細胞保護効果はどうか、について実験を行った。その結果、皮膚線維芽細胞にUVBを照射したときは、Nrf2の核内移行は観察されなかったが、UVAを照射したときにはNrf2の核内移行がウェスタンブロット法と免役蛍光染色法により確認され、UVAを照射したときにNrf2が活性化されることが明らかとなった。さらに、Nrf2ノックアウトマウスとKeap2ノックアウトマウス由来の皮膚線維芽細胞を用いて、UVAを照射したときのUVA誘導性アポトーシスの頻度をアネキシンVのFACSにより検討したところ、Nrf2ノックアウトマウス由来線維芽細胞ではアポトーシス頻度が増加し、Keap2ノックアウトマウス由来線維芽細胞ではアポトーシス頻度が減少した。すなわち、Nrf2はUVA誘導性アポトーシスから細胞を保護することが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Suzuki T, Kawachi Y, et al.: "Six novel P gene mutations and oculocutaneous albinism type 2 frequency in Japanese albino patients"Journal of Investigative Dermatology. 120. 781-783 (2003)
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[Publications] Kawachi Y, Xu X, et al.: "Expression of angiogenic factors in neurofibromas"Experimental Dermatology. 12. 412-417 (2003)