2003 Fiscal Year Annual Research Report
毛包・脂腺系における神経ペプチドとS100タンパク質の相互作用の検討
Project/Area Number |
15591170
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
諸橋 正昭 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (50018719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 雅彦 富山医科薬科大学, 附属病院, 講師 (00251885)
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Keywords | S100タンパク質 / 毛包・脂腺系 / 制限酵素マップ / 毛周期 / 神経ペプチド / サブスタンスP / 中性エンドペプチダーゼ |
Research Abstract |
平成15年度は主としてS100遺伝子の配列、毛周期におけるS100遺伝子の発現変動、神経ペプチドsubstance P(SP)およびneutral endopeptidase(NEP)の毛包・脂腺系における蛋白レベルの局在(S100A3,A6との比較)につき検討した。 1.S100遺伝子の配列(マウス):S100A3遺伝子のゲノム上のマッピングを行うため、S100A3遺伝子を含むBACクローンのサザンブロット解析を行った。S100A3,S100A4およびS100A6プロープをハイブリダイズした結果、これら3つの遺伝子が同一BACクローン上に配列していることが判った。これらの結果に基づき、マウス第3染色体のS100遺伝子クラスターの制限酵素マップを得た。 2.毛周期におけるS100遺伝子の発現変動:S100AmRNAに対するアンチセンスRNAプローブを用いて毛周期におけるmRNA発現レベルにつきノザンブロット解析を行った結果、S100A3の発現は成長期に限局し、S100A4,A6は退行期-休止期-成長期(第1毛周期転換期)にも発現が認められた。 3.免疫染色:ICRマウス皮膚におけるSPおよびNEPの免疫染色を行った結果、SPは毛包・脂腺系における発現はみられず、周囲の神経線維に陽性を示した。一方NEPは一部の毛包の外毛根鞘および脂腺辺縁細胞に陽性所見が認められた。S100A3は毛小皮細胞に強く染まり、毛皮質細胞にも弱い発現がみられた。さらにS100A6は主として内毛根鞘に陽性所見を示した。SP・NEPとS100A3・A6各々の二重染色では、毛周期のいずれの時期においても両者の局在に同一性は認められなかった。
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