2003 Fiscal Year Annual Research Report
有棘細胞癌の分子生物学的分類と新規治療法の開発に関する研究
Project/Area Number |
15591180
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久保 宜明 徳島大学, 医学部, 講師 (10260069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂尾 佳久 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50346607)
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Keywords | 有棘細胞癌(SCC) / DNAメチル化 / p14^<ARF> / p15 / p16^<INK4a> / E-cadherin |
Research Abstract |
有棘細胞癌(SCC)は代表的な皮膚癌の一つであり、一般に正常表皮角化細胞に癌関連遺伝子の変異が蓄積し発生すると考えられている。近年、遺伝子変異に加えて、癌関連遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化による不活性化が多くの癌の癌化過程に重要であることが明らかになってきた。本研究では、SCCの分子生物学的分類を行うことをめざし、以前にいくつかの遺伝子変異を調べたSCCにおいて、癌関連遺伝子のDNAメチル化異常を解析した。 インフォームドコンセントを得た後、手術標本よりゲノムDNAを抽出し、CpGenome DNA modification kitを用いてbisulfate処理を行った。癌関連遺伝子であるp14^<ARF>、p15、p16^<INK4a>、E-cadherinの遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化を調べるために、メチル化DNAと非メチル化DNAの各々を特異的に増幅させるプライマーを作製し、Methylation-specific PCR法を使ってそれぞれの遺伝子のメチル化の有無を検討した。調べた遺伝子のそれぞれのプロモーター領域には、少なくとも一部のSCCにおいてDNAメチル化が認められた。これらの結果から、エピジェネティックな変化はSCCに一般的であり、これらの遺伝子のDNAメチル化による不活性化が少なくとも一部のSCCの発症に関与していると考えられた。現在、免疫組織学的検索にてそれぞれの蛋白の発現の有無およびDNAメチル化との関連について検討中である。
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