2004 Fiscal Year Annual Research Report
有棘細胞癌の分子生物学的分類と新規治療法の開発に関する研究
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15591180
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
久保 宜明 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (10260069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村尾 和俊 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (40363171)
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Keywords | 有棘細胞癌(SCC) / DNAメチル化 / E-cadherin / pRb / MGMT / RIZ1 / PTEN |
Research Abstract |
有棘細胞癌(SCC)は代表的な皮膚癌の一つであり、一般に正常表皮角化細胞に癌関連遺伝子の変異が蓄積し発生すると考えられている。昨年度の研究で、遺伝子変異に加えて、癌関連遺伝子のプロモーター領域のDNAメチル化による不活性化がSCCの癌化過程に重要である可能性が示唆された。本年度は、重要と思われる癌関連遺伝子のDNAメチル化異常の解析を押し進め、一部の遺伝子について免疫組織学的検索で蛋白発現との関連を比較検討した。 昨年度使用した手術標本より抽出したゲノムDNAをbisulfate処理し、癌関連遺伝子であるpRb、MGMT、RIZ1、PTEN遺伝子プロモーター領域のDNAメチル化をMethylation-specific PCR法を使って検討した。E-cadherin遺伝子については昨年度使用した方法に比べ感度の高いnested PCR法を用いた。20例のSCC中、19例にE-cadherin、3例にMGMT、1例にpRb遺伝子にメチル化DNAが検出された。昨年度の結果と併せ、エピジェネティックな変化はSCCに一般的であり、癌関連遺伝子のDNAメチル化による不活性化がSCCの発症に関与していると考えられる。 また、pRbとp16については、蛋白の発現を免疫染色で検討した。いずれかの遺伝子に変異もしくはエピジェネティックな変化があった7例中、蛋白の発現を認めたのは1例のみであり、DNAの異常と蛋白発現の有無はほぼ相関していることがわかった。
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