2003 Fiscal Year Annual Research Report
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15591183
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
片山 一朗 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80191980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室田 浩之 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90363499)
堀内 保宏 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (60165587)
濱崎 洋一郎 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (10180936)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 日内リズム / 生物時計 / ケモカイン / 皮膚 / 線維芽細胞 |
Research Abstract |
従来視床下部、松果体による中枢性の調節を受けていると考えられていた生物時計によるサーカデアンリズムの維持機構が末梢の組織にも存在する可能性が明らかにされた。しかしヒトの皮膚構成細胞であるケラチノサイトや線維芽細胞に同様な機構が存在し、光センサーなどを介して皮膚の恒常性を維持しているか否かは全く不明である。臨床的にもアトピー性皮膚炎患者では昼夜の逆転による悪化が良く見られる。このようなサーカデアンリズムの乱れと皮膚炎の悪化が中枢性の機序によるのか、最近明らかにされた皮膚構成細胞レベルでの異常によるサイトカインネットワークの産生異常によるのかを明らかにすることは臨床的な観点から非常に重要であり、より有効な治療法の開発に繋がると考えられる。今年度は皮膚構成細胞における生物時計遺伝子の発現調節機構を明らかにする。基礎研究を行った。 [方法]:手術時患者の同意取得後得たヒト皮膚線維芽細胞を10%FCS添加DMEMで培養し、Semiconfluentの状態で無血清培養液に交換し、暗室内で24時間培養し実験に供した。光刺激としてUVB10mJ/cm^2照射し、12時間後に細胞を回収し、RT-PCR法にてbmal 1,per 1,clockの発現を検討した。 [結果]:正常人由来線維芽細胞ではUVB照射12時間後にb mal 1 mRNAの有意な発現増強と、per 1の発現低下を認めた。clockには変動を認めなかった。アトピー性皮膚炎由来線維芽細胞では正常人由来細胞とそれぞれ逆のmRNAの発現パターンを認めた。今回の検討より、線維芽細胞ではUVB照射による生物時計の動態解析にb mal 1とper 1が有用であり、当初の予測どうり、アトピー性皮膚炎由来線維芽細胞と正常人由来線維芽細胞で、その発現パターンが異なる結果を得た。 [次年度の計画]:次年度はUVAと可視光線で同一の実験を行うともに、時計遺伝子の発現パターンと、サイトカイン、ケモカインの発現パターンをDNAマイクロアレで検討し、アトピー性皮膚炎の悪化機序解析を行う予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yokozeki H, et al.: "Th2 cytokines, IgE and mast cells play a crucial role in the induction of para-phenylenediamine-induced contact hypersensitivity in mice"Clip Exp Immunol. 132. 385-392 (2003)
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[Publications] Katayama I, et al.: "Open trial of topical tacalcitol [1α24(OH)2D3] and solar irradiation for vitiligo vulgarise : upregulation of c-Kit mRNA by cultured melanocytes"Eur J Dermatol. 13. 372-376 (2003)
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[Publications] Yamamoto T, et al.: "Role of mast cells in dermatofibroma : recent viewpoints into the pathogenesis"Eur J Dermatol. 13. 419-423 (2003)
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[Publications] Shimizu K, et al.: "The induction of heme oxygenase-1 by exogenous nitric oxide in ex vivo normal human skin"J Dermatol. 30・1. 17-25 (2003)
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[Publications] Eishi K, et al.: "Silicone gel sheets relieve pain and pruritus with clinical improvement of keloid : possible target of mast cells"J Dermatolog Treat. 14・4. 248-252 (2003)
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[Publications] Murota H, et al.: "Disruption of tumor necrosis factor receptor p55 impairs collagen turnover in experimentally inducted sclerodermic skin fibroblasts"Arthritis Rheumatism. 48・4. 1117-1125 (2003)