2006 Fiscal Year Annual Research Report
らい菌に発現する上皮系細胞への侵入蛋白のリコンビナント発現と機能解析
Project/Area Number |
15591190
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
藤村 響男 北里大学, 医学部, 講師 (50209087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増澤 幹男 北里大学, 医学部, 助教授 (30129267)
與儀 ヤス子 国立感染症研究所, ハンセン病研究センター・生体防御第二研究室, 室長 (10210600)
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Keywords | らい菌 / 侵入蛋白 / 病原因子 / mce / 感染様式 / AIDA |
Research Abstract |
本年度は、前年度に非病原性大腸菌への外膜表示(AIDA発現)法により予想した侵入活性領域(316〜531bpの領域)を316-387bp(106-129A.A.),388-453bp(130-151A.A.),454-486bp(152-162A.A.),487-531bp(163-177A.ん)に4分割して、それぞれ人工ペプタイドを合成し、らい菌の上皮系細胞への侵入に関わるmce1A領域のactive sequenceを検討した。colloidal gold particlesに各人工合成ペプタイドをコートして、HeLa細胞およびBEAS-2B細胞への侵入を電子顕微鏡を用いて観察した。HeLa細胞に対する侵入活性は388-453bp(130-151A.A.)領域のみに認められたが、BEAS-2B細胞への侵入活性は388-453bp(130-151A.A.)領域のみならず、316-387bp(106-12gA.A.)および454-486bp(152-162A.A.)領域にも認められた。487-531bp(163-177A.A.)領域には、何れの細胞に対する侵入活性も認めなかった。これらの結果から、らい菌の各種上皮細胞への侵入に関わる共通したactive sequenceは、388-453bp(130-151A.A.)領域に存在することが明らかとなり、本領域にコードされた蛋白を介してらい菌は鼻粘膜上皮細胞等から侵入することが示唆された。これらのペプタイドや、これらペプタイドに対する抗体は、らい菌の侵入予防のみならず、上皮細胞内への物質輸送やワクチンアジュバントとしても有用であることから、細胞内に侵入する能力を有するペプチド及び核酸、物質を細胞内に侵入させるための物質移送用剤及び物質移送方法、並びに、らい菌による感染症を予防又は治療するためのワクチン、抗体及び医薬として特許を申請した。
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Research Products
(3 results)