2004 Fiscal Year Annual Research Report
色素異常症の解明に向けたRNA干渉法による色素細胞特異遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
15591193
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松崎 ゆり子 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (40255435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住本 秀敏 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00306838)
河上 裕 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
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Keywords | RNA干渉 / siRNA発現HIVベクター / メラニン合成 / 色素細胞発現遺伝子 / siRNAオリゴヌクレオチド |
Research Abstract |
本研究では色素細胞特異遺伝子の機能解析の目的で、RNA干渉法による遺伝子機能阻害実験を行った。昨年度、色素細胞特異遺伝子tyrosinaseを用いてメラニン合成量をRNA干渉効果の指標とする実験系を構築したので、本年度はAIM-1、MART-1の機能阻害実験を行った。2種のアルゴリズムで10種のAIM-1標的配列を設定し、作製した組換えHIVベクターを黒色の悪性黒色腫細胞株SKmel23に感染させた。最も抑制効果の高かった組換え体でAIM-1 mRNA量を20%以下に抑制したが、黒色細胞株の白色化は認められなかった。MART-1機能阻害には4種のsiRNAオリゴヌクレオチドを用いた。SKmel23はsiRNAオリゴヌクレオチドの導入により著しく生育能が低下したため、灰白色の1363mel細胞株に導入を試みたところ、MART-1 mRNA量を最大で50%に抑制したが、明らかな白色化は認められなかった。現時点ではAIM-1、MART-1はメラニン合成系において、他の遺伝子によりその機能を補填され得るか、必須ではない可能性が示唆された。また、色素細胞で発現し、悪性黒色腫では高い頻度で高発現が見られるFABP7について、RNA干渉を行い、FABP7遺伝子発現の抑制による表現型の変化を解析した。3種の悪性黒色腫細胞株各々にFABP7を標的とした3種のsiRNAオリゴヌクレオチドを導入したところ、全てでFABP7mRNA量の低下が見られた。癌表現形質の指標となる増殖能、移動能をWST-1アッセイ、matrigel invasion chamberを用いて測定した。その結果、1つの細胞株でsiRNAオリゴヌクレオチドの導入による増殖能および移動能の低下が見られた。またFABP7を発現しない293T細胞株にFABP7を強制発現することにより増殖能および移動能の促進が見られた。これらより、FABP7の高発現が細胞増殖を促し移動能が高まる可能性が示された。
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Research Products
(5 results)