2004 Fiscal Year Annual Research Report
治療抵抗性統合失調症の病態モデルと治療メカニズムの研究〜ドパミン仮説からの脱却〜
Project/Area Number |
15591207
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安部川 智浩 北海道大学, 大学病院, 助手 (80301901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久住 一郎 北海道大学, 大学病院, 講師 (30250426)
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Keywords | 統合失調症 / 治療抵抗性 / 病態モデル / 前頭前野 |
Research Abstract |
D2型ドパミン受容体遮断を主作用とする定型抗精神病薬に対して治療抵抗性の病態モデルの1つとしてNMDA受容体機能低下モデルがある。一方で、D2遮断薬に対して反応性のモデルとして覚醒剤モデルがある。 我々は、ドパミン機能過剰亢進という治療反応性の病態であっても、その程度が内側前頭前野や側坐核などでグルタミン濃度増加を持続させる程に至ると、結果として、NMDA受容体機能が低下し、治療抵抗性の病態が形成されるとの仮説を立て、以下の結果を得た。 内側前頭前野や側坐核でグルタミン酸濃度を増加させる用量の覚醒剤を、実験動物に反復投与すると、断薬後の投与の際にNMDA受容体遮断薬であるMK-801による移所運動などの異常行動惹起作用が増強し、覚醒剤反復投与時にprotein kinase C阻害薬を併用すると、MK-801への感受性亢進の形成が阻止されることを見いだした。 このことから、ドパミン機能過剰亢進によるグルタミン酸濃度増加の反復は、統合失調症の治療抵抗性の病態を形成し、この過程にprotein kinase Cの活性化が関与しているなどの可能性が示唆される。
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Research Products
(7 results)
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[Book] 精神科2004
Author(s)
豊巻 敦人, 久住 一郎, 小山 司
Total Pages
262-265
Publisher
前部帯状皮質下位領域と精神疾患