2004 Fiscal Year Annual Research Report
GABA神経機能調節およびストレス病態発現における内因性神経ステロイドの役割
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15591215
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Research Institution | TOYAMA MEDICAL AND PHARMACEUTICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松本 欣三 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (10114654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東田 道久 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 助教授 (20207525)
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Keywords | 神経ステロイド / アロプレグナノロン / 長期隔離飼育ストレス / GABA_A受容体 / 攻撃行動 / フルオキセチン / 不安情動行動 / マウス |
Research Abstract |
神経ステロイド・アロプレグナノロン(ALLO)生合成系障害の病態モデルとして隔離飼育ストレス(IS)負荷マウス(IS群)を用い,GABA神経機能調節及び神経精神性病態発現における内因性ALLOの役割を検討した。(1)攻撃行動発現におけるALLOの役割:攻撃行動はIS負荷で発現する特徴的な異常行動であることから、IS誘発攻撃行動におけるALLOの役割を検討した。IS群の攻撃行動発現時間は隔離飼育期間の長さに依存して増加し、4-8週間後にはほぼプラトーに達した。IS群の脳内ALLO量は攻撃性亢進とほぼ逆相関性に減少し、ALLO投与によりIS群の攻撃行動は抑制された。一方、対照となる群居飼育マウス群では、5α-reductase阻害薬SKF105111(SKF)で脳内ALLO量を減少させても攻撃行動は発現しないことから、内因性ALLOは攻撃行動の抑制性因子として働いている可能性が示唆された。セロトニン(5-HT)再取込み阻害薬フルオキセチンの立体異性体(S-及びR-体)を用いてex vivo 5-HT取込み、脳内ALLO量及び攻撃行動に対する影響を比較した結果、両異性体は同程度の5-HT取込み阻害活性を示したが、ALLO量を正常化させる効果及び攻撃行動抑制効果に関しては、S-体がより強力であった。従ってフルオキセチンの攻撃行動抑制効果には5-HT再取り込み阻害よりも脳内ALLO量の正常化がより重要と考えられた。(2)SKF処置及びISによる不安情動行動の変化:明暗室間移所行動を指標に,不安情動行動におけるALLOの役割を検討した。SKF処置が有意に不安情動行動を増強することを認め,内因性ALLOが嫌悪刺激に対する感受性を抑えていることを示唆した。一方,ISは不安情動行動に影響しなかったことから,GABA神経系以外の機能変化でIS群の不安情動行動が修飾されている可能性が推察された。
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Research Products
(2 results)