2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規抗うつ薬パロキセチンの臨床効果・副作用予測に有用な薬理ゲノム情報の探索研究
Project/Area Number |
15591219
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Research Institution | Dokkyo University School of Medicine |
Principal Investigator |
下田 和孝 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (30196555)
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Keywords | 抗うつ薬 / 代謝 / 個体差 / 遺伝子多型 / cytochrome P450 |
Research Abstract |
平成16年度ではserotonin transporter遺伝子のintron 2のvariable number of tandem repeats(VNTR)多型、serotonin 2A receptorの-1438 A/G遺伝子多型とPAX投与中の副作用出現の関連について検討を行った。対象は、PAXを2週以上服用中で、本研究の内容を説明し書面にて同意が得られたうつ病患者57名(男性29名、女性28名)であった。副作用については、対象患者の診療録記載から何らかの副作用出現の有無を後向きに調査した。末梢血からDNAを抽出し、VNTR多型および-1438A/G多型をPCR法で検出した。PAXで治療中に何らかの副作用を認めたのは24名で、認められた主な副作用としては、嘔気・胃痛(10.3%)、便秘(10.3%)、下痢(8.6%)などがあった。副作用が出現した群(24名)と副作用なしの群(33名)の間で、性別、年齢、体重、PAX1日用量、PAX血漿中濃度に有意な差は認められなかった。VNTR多型に関しては、嘔気・胃痛、便秘、下痢といった消化器系副作用が出現した13名では、遺伝子型は全例12/12であり、10アレルの保有者は認められなかった。-1438A/G多型については、消化器系副作用ありの群となしの群で差は認められなかった。PAX投与後に、消化器系副作用が出現した群では、VNTR多型の10アレルの保有例が認められず、消化器系副作用の出現とVNTR多型が関連する可能性がある。副作用出現とVNTR多型の影響についてさらに検討が必要と考えられる。
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Research Products
(6 results)