2004 Fiscal Year Annual Research Report
ストレス負荷時の中枢神経系のバゾプレッシン1b・α1アドレナリン受容体の機能解明
Project/Area Number |
15591233
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
石塚 雄太 宮崎大学, 医学部, 講師 (20264377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安部 博史 宮崎大学, 医学部, 助手 (20344848)
河南 洋 宮崎大学, 医学部, 教授 (00049058)
石田 康 宮崎大学, 医学部, 教授 (20212897)
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Keywords | バゾプレッシンVlb受容体 / 不安行動 / SSRI / SNRI |
Research Abstract |
近年、バゾプレッシンは、セロトニンと密接に関連しながら、攻撃的行動をコントロールしていることが示されている(Raap DK,1999,Ferris CF,2000)。その上、バゾプレッシンVlb受容体(VlbR)は、不安や攻撃的行動と関連していること、そして視床下部-下垂体-副腎系をストレス時にコントロールしていることが明らかにされた(Wersinger SR,2002,Tanoue A,2004)。また、選択的VlbR拮抗薬は、抗不安作用や抗うつ作用を有することが示唆されている(Griebel G,2002)。このように最近、VlbRが不安やストレスに密接に関連し、選択的VlbR拮抗薬は新規の抗不安薬として注目されている。そこで、今回、不安行動におけるVlbRとセロトニンとの関連を調べるために、VlbRノックアウト(KO)マウスの不安行動に対する選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)および選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)の効果を調べた。 実験には、生後7〜9週のVlbR-KOマウスおよびwild-type (WT)マウスを用いて、高架式十字迷路実験によってopen arms滞在時間、open ams進入回数、closed arms進入回数を測定した。SSRIとしてパロキセチン(10mg/kg)、SNRIとしてミルナシプラン(30mg/kg)を腹腔内投与した。 WTマウスにパロキセチンあるいはミルナシプランを投与した群では、コントロール群と比較して、open arms滞在時間、open arms/total arms進入回数のパーセントが有意に増加したが、total arms進入回数に有意差は認められなかった。VlbR-KOマウスにパロキセチンあるいはミルナシプランを投与した群では、コントロール群と比較して、open arms滞在時間、open arms/total arms進入回数のパーセント、total arms進入回数に有意差はみられなかった。VlbRは、セロトニンと関連しながら、不安行動をコントロールしている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)