2003 Fiscal Year Annual Research Report
精神科疾患におけるSPM99を用いた拡散テンソル解析
Project/Area Number |
15591259
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 修 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50302716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 茂樹 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (80222470)
笠井 清登 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80322056)
山田 晴耕 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70359610)
大友 邦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80126010)
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Keywords | 磁気共鳴画像 / 拡散テンソル / 筋萎縮性側策硬化症 / SPM99 |
Research Abstract |
<目的>解析者や仮説に依存せずに全脳を客観的に評価可能なSPM99(statistical parametric mapping, Wellcome Department of Cognitive Neurology, London)を用いて、精神科疾患を含めた各種疾患における拡散テンソル画像の解析を行うこと。統合失調症症例については現在データ収集途上であるため、今年度は関心領域法を用いて皮質脊髄路における拡散異方性が低下することがすでに報告されている筋萎縮性側索硬化症(ALS)症例について検討を加えた。 <対象と方法>El Escorial分類でprobable typeと診断されたALS症例7例、年齢および性別を合致させた正常例11名を対象とした。使用装置は1.5-T Signa Horizon LXシステムおよび頭部専用コイル(GE Medical Systems, Milwaukee, WI, U.S.A.)、使用したシークエンスはsingle-shot spin-echo echo-planar sequence(TR/TE=5000/102msec、スライス厚5mm、スライスギャップ1.5mm、撮像視野21x21cm^2、加算回数4回、128x128マトリックス、b=1000s/mm^2)である。解析の対象となるFA画像がSPM99中のtemplateに存在しないため、正常例11名からFA templateを作成し、これに対して各FA画像を正規化した。さらに年齢、性別を共変量としてSPM99を用いてvoxel-by-voxelに解析し、corrected P<0.05のボクセルを有するclusterを有意とした。 <結果>右前頭皮質下白質{(Montreal Neurological Institute(MNI) coordinateによるpeak[x, y, z(mm)]=(32,-16,26), k=399, Tscore=9.15, corrected P<0.007)および左中心前回下白質(peak MNI coordinate[x, y, z(mm)]=(-34,-10,28), k=283, T score=7.47,corrected P<0.042)の2カ所において、有意にALS群のFA低下が観測され、その他のボクセルでは有意な低下または増加はみられなかった。 <結語>ALS症例においてこれまで報告されている関心領域法の結果と一致する解析結果が、APM99を用いて得られた。今後統合失調症をはじめとする精神科疾患において同様な解析を試み、T1およびT2強調像などこれまでのMRIでは画出できない神経統合の異常を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(1 results)