2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゲフィニチブ(インプレッツ)と放射線照射の併用効果:抗腫瘍作用と放射線肺炎の検討
Project/Area Number |
15591262
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
大西 洋 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助教授 (30213804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萬利乃 寛 山梨大学, 医学部附属病院, 助手 (70372505)
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Keywords | ラット / 放射線肺炎 / 実験モデル / 抑制効果判定 / 電子線照射 / ゲフィニチブ |
Research Abstract |
実験申請後に、当初の実験計画として予定していた「ゲフィニチブと放射線照射の併用による抗腫瘍効果の検討」については、他施設ですでにほぼ研究終了との情報を得たため、実験の主テーマを「ゲフィニチブと放射線照射の併用による放射線肺炎増強効果の検討」に絞った。 ・昨年度までに、試行錯誤を加えた末に、ゲフィニチブと放射線照射の併用による抗腫瘍効果の評価に用いる、ラット放射線肺炎モデルについて検討し、15-20Gyの照射結果、放射線肺炎の評価に適当な照射線量は、片肺20Gyと設定し、ラット左肺に電子線にて20Gy照射前・照射後(1群5匹)にゲフィニチチブ(10mg/kg)を14日間連日経口投与中し照射後16週で屠殺・解剖したが、組織学的変化(リンパ球浸潤、肺胞構造破壊、線維化、II型肺胞上皮増生、組織中)や線維化の過程の指標である血中TGF-β値の定量、照射後におけるmRNAの標的遺伝子の発現などの分析の結果、ゲフィニチブの有無による有意差を認めなった。 ・今年度は、ゲフィニチブの容量を増加させることによる変化を調べることを考えたが、まずはラット放射線肺炎の薬剤感受性モデルを再検討するため、これまでのモデルによる照射線量20Gyよりは強い組織学的・血清学的変化を生じるように、片肺・両肺で25Gy、30Gyの線量群を設定し、より早期の組織学的・生理機能評価(体重・呼吸数・生存期間など)・血清学的変化を検討した。 ・結果としては、25Gy照射8週後のMCP-1,COLA1,Hydroxypurorineなどが優位な評価項目であった。 ・その他、実験データ分析のため、画像取得機器・統計解析ソフト・ハードを購入した。 ・このように未だ適正なラット放射線肺炎抑制の薬剤効果判定モデル作成について試行錯誤中であるが、今後の研究の進展に寄与できるようなモデルを作成していきたい。
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