Research Abstract |
(1)ラット肺放射線障害モデルの作成 両肺に20Gyの放射線を照射したラットの,照射21及び35日後に呼吸機能を,照射36日後に肺機能を測定した。肺機能測定後,血液学的検査,血液生化学的検査,気管支肺胞洗浄液(BALF)中細胞数の計測,気管及び肺の組織学的検査を行った。 呼吸機能検査(照射35日後)において,放射線を照射した対照群は,非照射群と比較して呼吸数及びPenh(気道狭窄の指標)が高値を,1回換気量,呼気時間,ピーク吸気フローが低値を示した。肺機能検査において,対照群は非照射群と比較して最大吸気量が高値を,肺活量,全肺気量,強制肺活量,50msec呼気量,100msec呼気量及び200msec呼気量が低値を示した。組織学的検査において,対照群は肺胞壁の線維性肥厚,肺胞マクロファージの増加,好中球浸潤,血管周囲の水腫及び線維化,II型肺胞上皮細胞の増加が認められた。その他,一般状態,体重,血液学的検査,血液生化学的検査及びBALF中細胞数についても変化が認められた。 これにより,放射線肺障害モデルとし以下の薬剤効果判定に用いた。 (2)シスプラチンとゲフィニヂブの放射線肺障害に対する影響の検討 胸部放射線治療におけるシスプラチン・ゲフィニチブ併用が放射線肺炎の重症度に対して与える影響についてラット放射線肺炎モデルを用いて,生理的変化・組織像変化・致死率の変化の分析を行い検討した。薬剤投与方法は,シスプラチン10mg/kgbody weightを5mlの生理食塩水にといて腹腔内注射(照射前日)ゲフィニチブ50mg/kgを5mlの生理食塩水にといてソンデにて経口投与(照射前5日間)を群別化する。照射方法:18Mev電子線を用いて4×5cmの照射野でラット両部に対して前方1門から30Gy照射した。照射時にはラット前胸壁上に5mmボーラスをおいた。照射後3ヶ月間経過観察。死亡例は解剖し死因を同定した。評価方法:各群ごとに期間内の体重の推移,死亡率,照射後死亡までの日数,死亡原因(肺組織像)を検討し,薬剤の影響を検討した。 結果は現在解折中である。
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