2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍及び周囲組織の高分解能拡散テンソル磁気共鳴画像:免疫組織化学標本との比較
Project/Area Number |
15591267
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Research Institution | SHIGA University of Medical Science |
Principal Investigator |
井藤 隆太 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80263052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中洲 敏 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (00135477)
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Keywords | 脳腫瘍 / 拡散テンソル磁気共鳴画像法 / 動物実験 / 脳白質内異方性 |
Research Abstract |
脳の拡散テンソル(Diffusion-Tensor)磁気共鳴(MR)画像法で脳腫瘍と腫瘍周囲白質の神経束をはじめとした微細構造がどのように描出されるかを、免疫組織化学標本と比較検討することで明らかにした。 Fisher-334ラットに対し経胎盤性N-ethyl-N-nitrosourea投与により生後脳腫瘍を誘発し脳腫瘍モデルを作成した。脳を灌流固定後、実験用7T-MR装置を用い拡散強調画像を収集した。これらの画像からpixelごとのeigenvector、eigenvalueを計算した。pixelごとの最大のeigenvalueに対応したeigenvector (v1)の方向をそのpixelにおける方向とし、異方性の指標として計算したfractional anisotropyとv1成分を用いてcolor map及びvector mapを作成した。また画像収集後病理組織切片を作成しneurofilament染色を施した。組織標本のneurofilament成分を基準にcolor map及びvector mapが腫瘍周囲の腫瘍浸潤に関する情報を提供するかどうかをT2強調画像と視覚的に比較し以下の結果を得た。 (1)vector mapでは、組織標本で認められる白質内の整列した太いneurofilament (NF)束を反映すると考えられる整列した線分群の描出が可能であった。 (2)T2強調画像で正常白質の信号が失われている部分でも、組織標本でNF束が保たれている部分はvector mapで残存NF束を反映すると考えられる線分が認められた。 (3)組織標本で認められる腫瘍-白質境界部のNF束の膨隆、途絶はvector mapで線分の連続性、整列性の途絶として明瞭に描出可能であった。 (4)腫瘍中に散在性に残存する微細なNF束はvector mapでは十分描出されなかった。
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