2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳内ニコチン性アセチルコリン受容体結合能の正常分布と喫煙及び禁煙の影響
Project/Area Number |
15591268
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
石津 浩一 京都大学, 医学研究科, 助手 (50314224)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 靖彦 群馬大学, 医学部, 助教授 (60252425)
向 高弘 長崎大学, 薬学研究院, 助教授 (30284706)
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Keywords | 5IA / ニコチン / SPECT / 喫煙 / 受容体 / 定量 / 禁煙 / 分布容積 |
Research Abstract |
当該研究ではI-123標識5-I-A85380(5IA)を用いたSPECT撮影を用い、人脳内ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)の非侵襲的定量測定法を開発し、健常者脳内nAChR結合能分布を定量的に明らかにしてきた。本年度では平成15年度に行った健常非喫煙者の脳内nAChR分布の定量的解析結果をJournal of Nuclear Medicineに投稿し同誌の1996年9月号に掲載した。健常非喫煙者の脳内nAChR分布は、広く全脳に及び、特に視床・脳幹部に高い分布パターンを示した。5IAの分布容積で受容体密度を定量的に評価すると、大脳皮質に対し視床・脳幹部では2倍以上の数値を示した。これは剖検脳での報告に合致する所見であった。引き続き平成16年度には、同じ5IA-SPECTを用いて健常喫煙者の脳内nAChR分布を検討した。3年以上、一日10本以上の喫煙を続けている健常者を被験者とした。最終喫煙の4時間後の検討では、健常非喫煙者と比べ大脳皮質、視床・脳幹部いずれにおいても5IAの分布容積は低値を示した。喫煙者の剖検脳所見では非喫煙者よりニコチン受容体のup-regurationが認められていることに相反する結果であるが、これは最終喫煙後4時間たっても喫煙によって摂取したニコチンにより脳内のニコチンレセプターのbinding potentialが低下していることを示唆しており、またその低下により非喫煙者より低値を示すことが示された。実際の人の脳での検討結果はなく大変興味深い結果と考えられる。ちなみに喫煙者のニコチン受容体の分布パターンは非喫煙者と明らかな差異は認めなかった。
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Research Products
(1 results)