2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高磁場MR spectroscopyを用いた前立腺癌侵襲性の予測に関する研究
Project/Area Number |
15591275
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
楫 靖 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10273947)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉村 和朗 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00136384)
藤井 正彦 神戸大学, 医学部附属病院, 助教授 (00228959)
守殿 貞夫 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授(理事) (30030935)
黒田 輝 東海大学, 電子情報学部, 助教授 (70205243)
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Keywords | 前立腺癌 / 超高磁場環境 / MRスペクトロスコピー |
Research Abstract |
平成16年度は,前立腺特異抗原の値から前立腺癌が疑われた生検前の患者のうち,51名でボランティア協力の同意が得られた.これらのボランティアを対象として,超高磁場MR装置(Signa VH/I 3.0T)を用いて,前立腺MRI撮像,proton MR spectroscopy (MRS)測定を行った.平成15年度に問題となった血腫に伴う磁場の不均一性は見られなかった.しかし,症例によっては直腸内ガスが大量に貯留しており良好なスペクトルが得られないことがあった.この状況を避けるために,検査前日に下剤を投与することとした.得られたスペクトルを解析すると非常に質の高いスペクトルもあれば,代謝産物の解析が困難なノイズの多いスペクトルも混在していた.前立腺癌が疑われている患者の前立腺の体積は大きく,全領域について均一に信号を励起できないことが理由の一つと考えられた.安全性を確保するために撮像装置の出力は制限されており,現装置の限界であった,この結果,質が高いスペクトルが得られたのは,25症例の辺縁域40領域,移行域40領域であった.MRS測定後の生検結果と対比させると,MRSで得られた(コリン+クレアチン)/クエン酸比(CC/C)は,辺縁域癌(5領域)で1.94,移行域癌(3領域)で1.84を呈し,健常な辺縁域や移行域と比べて有意に高かった.CC/Cと病理学的悪性度を表すGleason scoreを対比させたところ,関連性が示唆されたが有意ではなかった. 安定したスペクトルを得ることができず,MRSの情報を加味した新たな侵襲性を予測する指標を作成することはできなかった.しかし,均一に励起されている領域のスペクトルの質は,一般のMR装置を使用した場合よりも格段に信号雑音比,スペクトル分解能に優れており,MR装置の改善により前立腺癌の診療に有用な情報をもたらす可能性があると考えられた.
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