2003 Fiscal Year Annual Research Report
膵外分泌機能の定性的および定量的評価法の開発:MR拡散強調像を用いた新しい試み
Project/Area Number |
15591283
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
入江 裕之 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (50284493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相部 仁 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (40304810)
吉満 研吾 九州大学, 医学部附属病院, 講師 (20274467)
本田 浩 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (90145433)
西江 昭弘 九州大学, 大学院・医学研究院, 非常勤学術研究員
田嶋 強 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (50346798)
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Keywords | 膵臓 / 外分泌機能 / MRI / 拡散強調 |
Research Abstract |
1.本年度の主たる目的は,膵実質における拡散現象の詳細な評価に応用可能な拡散強調像の撮像法の開発であった.以下のような基礎実験を行った 1)agarを用いてMRI撮像用の膵ファントムを作成した. 2)上記のファントムを対象として,次のような実験を行った.撮像パラメータおよびb-valueをさまざまに変化させて拡散強調像を撮像.信号雑音比,コントラスト雑音比をそれぞれの画像について求めた.複数の読影者が別個に各画像の画質を主観的に評価して点数化し,κ検定を行った.信号雑音比,コントラスト雑音比ならびに主観的評価を総合的に検討して,ファントム実験での膵拡散強調像の最適撮像法を決定した. 3)2)で得られた撮像法を,複数の健常ボランティアに応用して実際の膵の拡散強調像を撮像し,画質の評価ならびにパラメータの微調整を行った. 以上により,膵実質における拡散現象の詳細な評価に応用可能な拡散強調像の撮像法を開発した. 2.当初の計画では,腺房細胞よりの膵液の分泌を促進し,膵実質内における水分量を増加させるセクレチンを投与することにより,部位別の膵外分泌機能を評価する予定であったが,セクレチンの販売が中止され,使用不能となったため,それに代わる薬剤の調査研究を行っている.平行して,そのような薬剤が使用できない場合の部位別の膵外分泌機能の評価方法について,新たな方法を模索している. 3.通常の拡散強調像から得られる拡散係数は,水分子の運動は拡散現象だけでなく,灌流などの他の現象にも影響されるため,定量的ではない.本研究のもうひとつの目的である拡散係数の定量化についての前段階として,半定量化にむけての基礎的実験に着手した.
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