2003 Fiscal Year Annual Research Report
サイバーナイフによる体幹部放射線治療における新しい呼吸同期照射法の開発
Project/Area Number |
15591284
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 和正 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (20284507)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大賀 才路 九州大学, 医学部附属病院, 医員
佐々木 智成 九州大学, 医学部附属病院, 医員
塩山 善之 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (10323304)
|
Keywords | サイバーナイフ / 呼吸同期法 / 放射線治療 / 体幹部定位放射線照射 |
Research Abstract |
サイバーナイフにて呼吸同期照射を行うには、動くターゲットを追尾する方法があるが、精度検証が困難とされている。もうひとつの方法として、患者に自発的に息止めをしてもらい、その間に照射する息止め照射法があるが、息止めの状態は患者自身にまかせられており、正確にモニタする簡易的な方法は少なかった。 そこで、我々は、サイバーナイフおよび通常のリニアックでも使用可能な、安価な簡易型呼吸同期補助装置を作成し、息止め法での精度を検証した。 簡易型呼吸同期補助装置は、Class II可視光半導体レーザーおよび受光板よりなる。レーザーは上胃部におき、患者に複式呼吸をしてもらう。レーザー光は患者の頭の直上に設置された受光板に照射される。これにより、患者は、呼吸と連動する体表面の変動位置情報を知ることができ、常に一定の位置で呼吸を停止させることができる。また、受光板に投影されたレーザー光の動きは、治療室内のテレビモニタで確認できるため、放射線治療技師が息止めの状態を確認でき、精度の高い呼吸同期照射が可能となる。 5人の正常ボランティア(男性、年齢28-43歳、平均年齢39歳)に透視装置上で計5回息止めをしてもらい、簡易型呼吸同期補助装置の有無での息止め時の横隔膜の停止位置の精度を測定した。横隔膜の位置のずれの最大値は、装置無しの場合平均0.72cm(range 0.43-1.22cm)であったが、装置装着により平均0.59cm(range 0.17-1.15cm)まで低下した。 本装置により呼吸状態が正確にモニタされ、より精度の高い放射線治療が実現できる可能性が示された。
|