2005 Fiscal Year Annual Research Report
サイバーナイフによる体幹部放射線治療における新しい呼吸同期照射法の開発
Project/Area Number |
15591284
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中村 和正 九州大学, 大学病院, 助手 (20284507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩山 善之 九州大学, 大学病院, 助手 (10323304)
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Keywords | サイバーナイフ / 呼吸同期法 / 放射線治療 / 体幹部定位放射線照射 |
Research Abstract |
サイバーナイフにて呼吸同期照射を行うには、ひとつの方法として、患者に自発的に息止めをしてもらい、その間に照射する息止め照射法があるが、息止めの状態は患者自身にまかせられており、精度が不十分であった。 そこで、我々は、サイバーナイフおよび通常のリニアックでも使用可能な、簡易型呼吸同期補助装置を作成し、息止め法での精度を検証した。 本年度は、昨年度までに完成させた呼吸同期装置およびその検証システムを用いて、正常ボランティア5名に安静呼気、安静吸気、最大吸気の3つの呼吸位相にて、各5回、15秒間の息止めをしてもらい、簡易型呼吸同期補助装置の有無での息止め時の胸腹壁の停止位置を測定した。測定には、キーエンス社製高精度画像処理システムXV-1000を用いた。XV-1000は、30万画素のCCDカメラにて任意の像を認識し、その位置等を正確に検出できる。胸壁及び腹壁上に設置した目印(X-spots,Beekley社製)の形状をXV-1000のCCDカメラにて認識させ、各息止めでの基準位置からの偏位(mm)を1/12秒ごとに測定した。 呼吸同期補助装置がない場合、胸腹壁の停止位置の偏位は、安静呼気息止めが最も少なかった。しかし、安静吸気、最大吸気息止めでは停止位置の偏位は特に腹壁で5mmを超え、ばらつきが大きかった。一方、呼吸同期補助装置を装着した場合、安静呼気時、安静吸気時とも停止位置はほぼ5mm以内に安定した。しかし、最大吸気息止めでは、息を止めているにもかかわらず、胸腹壁の停止位置は大きく偏位した。 以上より、呼吸同期補助装置は、特に安静呼気、安静吸気息止めにて有用であることが判明した。すなわち、呼吸同期補助装置による放射線治療では、安静呼気、安静吸気息止めにて行うべきである。
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Research Products
(3 results)