2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞間接着能の阻害による放射線感受性変化の検討と関与する細胞間接着因子の同定
Project/Area Number |
15591291
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
井上 登美夫 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80134295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 素子 横浜市立大学, 医学部, 助手 (70244506)
中神 佳宏 横浜市立大学, 医学部, 助手 (80347301)
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Keywords | γ線(電離放射線) / 感受性 / 細胞間接着 / ギャップジャンクション / olemide / MDCK / connexin43 |
Research Abstract |
培養細包の放射線(γ線)感受性は、多くの場合、対数増殖期と定常期で異なり、平面培養と球状培養でも異なる場合が多い。このことから、放射線感受性に対する細胞間接着因子の関与を考え、本研究を行った。細胞間接着因子のうち、ギャップジャンクション(GJ)を阻害する薬剤の1つであるoleamideを培地に添加し、定常期のMDCK細胞およびUMRC-6細胞(ヒト腎細胞癌由来)にγ線2-10Gyを照射後、alamar blue assayにて細胞の生残率を調べたところ、非添加群に対し2-6Gyを中心に放射線増感効果が得られた。Oleamideの溶媒としてはethanol, DMSO(dimethylsulfoxide)が知られているが、増感効果は前者のみで見られた。後者ではalpha-MEM培地に添加した際、溶質が析出するようであった。他のGJ阻害剤として知られる18β-glycyrrhetinic acidはこれらの細胞に対し毒性が強く、定常期での細胞維持が困難であったため、放射線増感効果の検討に不適と判断した。次に、GJの構成要素の1つであるcannexin43のドミナントネガテイブ変異体(aa.130-136欠失変異体)の作成をinverted PCRにより試みたが、研究期問内の作成が困難であった。しかし、他の方法により現時点までに作成に成功しており、同変異体の強制発現による放射線感受性の変化を検討しつつある。
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