2005 Fiscal Year Annual Research Report
放射能標識抗HER2抗体を用いた放射免疫療法の最適化に関する研究
Project/Area Number |
15591299
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
細野 眞 近畿大学, 医学部, 教授 (00281303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 健夫 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (70241883)
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Keywords | Molecular Targeting / キレート / 陽電子断層撮影 |
Research Abstract |
Molecular Targetingの手法を用いて、腫瘍のイメージングおよび治療を目的とした。モノクローナル抗体による放射免疫療法を行うために放射性同位元素と抗体との標識法の検討を行った。マクロサイクルの構造を持つキレート剤は、その標識化合物の安定性によって、放射免疫療法を行う際キレート剤に適していると考えられる。前年度までに合成したキレート剤を用いて、可能な条件で標識を行い、このキレートを使った抗体標識の有用性を評価した。キレートは抗体とTc-99mやRe-186、Re-188とを安定して結合させるために設計したキレートである。モノクローナル抗体として、表皮細胞増殖因子受容体(EGF-R)を認識する抗EGF-R抗体を用いた。腫瘍としてヒト腫瘍細胞株で、EGF-Rを多く発現している神経膠芽腫U-87、乳癌MB468の細胞株を用いた。腫瘍をヌードマウスに移植し一定の大きさになった時点で、Tc-99m標識EGF-R抗体を投与して経時的に体内分布を検討した。従来のキレートを用いる標識よりも放射性化合物としての安定性が高く、神経膠芽腫U-87、乳癌MB468において良好な腫瘍/正常組織比を得ることができた。また、今回、放射免疫療法の臨床応用に向けたプロセスの一環として、Y-90標識抗CD20抗体ibritumomab tiuxetanによる放射免疫療法を想定して、この放射性薬剤を投与された患者が治療病室から退出する際のあり方に関して、発生する放射線被ばくについてシナリオを立てて評価した。さらに今年度は本学においてPET施設を開設し、サイクロトロン・薬剤合成装置により、F-18FDG、C-11 methionineを合成し、本施設における放射性薬剤の安定性・安全性を確立した。これは、放射能標識モノクローナル抗体の臨床応用に関しても役立つ技術であり、来年度の研究への寄与が期待された。(以上797字)
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Research Products
(4 results)