2005 Fiscal Year Annual Research Report
MRIを用いた冠動脈血流計測の検討:特にステント留置後の経過観察への応用
Project/Area Number |
15591301
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
奥田 茂男 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30233456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 伸弘 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10171860)
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Keywords | MRI / 虚血性心疾患 / ステント / 流速測定 |
Research Abstract |
・血液ファントームの概要 今回作成したファントームでは閉鎖回路内に、血液のT1値に近似させた造影剤希釈精製水を満たし、回転ポンプにより脈流を作り循環させる。ポンプ本体はMRI室外に置き、磁気遮蔽扉の隙間から循環ホースをMRI装置内に敷設する。脈流は本体部の手動バルブおよび電磁バルブにより水流を制御し発生させる。制御部に内蔵された3種類のタイマーにより脈流のパターンおよび周期を設定する構造である。(3種類のタイマーは、周期始めから電動バルブを開・閉し、周期終了までの間隔t1,t2,t3を設定する。) ・ファントームにおける模擬狭窄作成 今回の実験目的は狭窄発生時の流速・流量波形の変化を観察することであった。10mm径のホースにて実験を開始したが、模擬狭窄を作成すると回路全体の流量が落ちてしまい十分な検討ができなかった。将来的にはより強力なポンプに置換することも検討課題であるが、回路(ホース)に生体内血管のような柔軟性はなく、血管での狭窄発生時における脈流の変化を完全に再現することは困難と考えられた。今回の検討ではステント留置時のアーチファクトが流速計測に及ぼす影響を測定した。 ・アーチファクトの検討 ステント内では流速測定はできなかったが、MRI装置の静磁場に対して垂直においた場合は両端より1cm程度離れると流速測定は可能であった。ただし、静磁場に対するステントの方向によりアーチファクト発生の様子が異なり、静磁場に対する方向とアーチファクトとの関係を今後より詳しく検討する必要があると考えられた。
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