2003 Fiscal Year Annual Research Report
異種造影剤の直接混合による配合変化とその同時投与が腎機能に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
15591307
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
林 宏光 日本医科大学, 医学部, 講師 (70267201)
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Keywords | 造影剤 / iopamidol / Gd-DTPA / 混合試験 / 腎機能 / 腎機能障害 |
Research Abstract |
Iopamiron 300(主成分:iopamidol)とMagnevist(主成分:Gd-DTPA)とを試験管内での直接混合した際の配合変化の有無を知るため、以下の手順にて実験した。試験群としてIopamiron 300単独群、Magnevist単独群、両造影剤を等量混合して均一に調整した配合液群とした。 【検討項目】(I)性状試験:試験液の色、粘性の変化について視覚的評価、pH測定(配合直後,1,3,6,24時間後)(II)試験液中のiopamidolの安定性に関する検討:芳香族第一アミンの定量、iopamidol濃度の定量、遊離ヨウ素イオン濃度の定量、および薄層クロマトグラフ法によるiopamidol由来の分解生成物の検出(配合直後,24時間後)(III)試験液中のGd-DTPAの安定性に関する検討:Gd-DTPA濃度の定量および薄層クロマトグラフ法によるGd-DTPA由来の分解性生物の検出(配合直後,24時間後)。iopamidol単独群およびGd-DTPA単独群:(I)、(II)、(III)の検討項目について評価。 【結果】iopamidol単独群:(I)性状はi)無色透明、わずかな粘性を認め、ii)pHは7.2。(II)i)芳香族第一アミンの濃度は0.01%以下、ii)iopamidolの濃度は-609.7mg/mL。iii)遊離ヨウ素イオン濃度は2μg/mL、iv)薄層クロマトグラフ法ではiopamidolのスポットのみ検出。(III)i)Gd-DTPAは検出されず、ii)薄層クロマトグラフィ法でiopamidolのスポットのみが確認された。Gd-DTPA単独群:(I)性状はi)無色透明、わずかな粘性を認めた。ii)pHは7.4。(II)i)芳香族第一アミンならびにii)iopamidolは検出されなかった。iii)遊離ヨウ素イオンは検出されず、iv)薄層クロマトグラフ法ではGd-DTPAのスポットのみが検出。(III)i)Gd-DTPAの含量は365.8g/mL。ii)薄層クロマトグラフ法でGd-DTPAのスポットのみが検出された。平成16年度では配合液群についての試験管内での直接混合、ならびに両造影剤の同時投与がラットの腎機能に及ぼす影響について調査する。
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