2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15591313
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Research Institution | Japanese Foundation For Cancer Research |
Principal Investigator |
山下 孝 財団法人癌研究会, 癌研究所, 研究員 (70110939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 洋 山梨大学, 医学部・放射線医学教室, 講師 (30213804)
小口 正彦 財団法人癌研究会, 癌研究所, 研究員 (50169257)
廣川 裕 順天堂大学, 医学部・放射線医学教室, 教授 (40116653)
高橋 豊 財団法人癌研究会, 癌研究所・物理部, 研究員 (40353461)
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Keywords | 放射線治療 / 将来計画 / 放射線腫瘍医 / 医学物理士 / 適正人員配置 |
Research Abstract |
がん患者の急速な増加と、高齢化により、放射線治療の果たす役割が大きくなってきた。また近年の放線照射技術の飛躍的な発展により、質の高い、安全な治療を行う体制が不可欠になってきた。しかし、現在の日本の放射線治療体制は欧米と比較すると未熟であり、現状の把握と人員の適正配置などの将来計画を立案することは重要な課題である。欧米の放射線治療の発展の過去を振り返り、人員、施設構造、装置を中心に調査する事により、10年後の我が国に理想的放射線治療体制を確立させることが本研究の目的である。本年は a.アンケート調査による放射線治療環境(構造)の国際比較(米国、ヨーロッパ、アジア) b.米国放射線腫瘍学会(ASTRO)の歴史の検証 c.医学生教育カリキュラム実態調査と改善方法提案 d.放射線治療現場での問題点の検討(アンケート調査) e.医学物理士の一般化対策(ME学会、医学物理学会、技師会の協力)の提示 f.2014年放射線治療環境改善に向けての方向性の呈示(放射線腫瘍医の育成と増加) g.第16回日本放射線腫瘍学会の学術大会での広報活動 を行ってきた。この結果、我が国の労働環境、マンパワーなどの放射線治療構造は未熟であることが判明した。例えば、放射線治療の質的保証(QA)や治療計画を専門的に行う医学物理士数は東南アジアの施設にも満たない状況であった。一方で、患者数は急速に増加し、2014年までに放射線治療を受ける可能のある患者は全がん患者の55%に達するデータが得られた。我が国の放射線治療の現状を他国と比し、2003年の第16回日本放射線腫瘍学会会長講演にて報告した。この急速な患者増加に対しする適正な人員配置および、医学物理士などの職種の整備に向けて、活動等を進めていく。
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