2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳賦活時の機能的磁気共鳴断層撮影法による血液酸素濃度依存性信号発生機構の解明
Project/Area Number |
15591314
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 浩 東北大学, 病院, 講師 (20360357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 巌 秋田県立脳血管研究センター, 放射線医学研究部, 副研究局長 (10360356)
茨木 正信 秋田県立脳血管研究センター, 放射線医学研究部, 研究員 (40360359)
後藤 了以 東北大学, 病院・助手 (70302221)
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Keywords | fMRI / BOLD / PET / CBF / CMRO2 / OEF |
Research Abstract |
機能的磁気共鳴断層撮影法(fMRI)により測定される脳賦活部位の血液酸素濃度依存性(BOLD)信号と局所脳血流量(CBF)および局所脳酸素消費量(CMRO_2)の変化量との関係を調べるべく、今年度は昨年度中に測定されたfMRIおよびポジトロン放出断層撮影法(PET)のデータの解析を中心に行った。データ解析は、画像処理ソフトウェアパッケージのDr.View/LINUXおよびフリーのソフトウェアパッケージのSPM99を用いて伊藤(研究代表者)が茨木(研究分担者)と後藤(研究分担者)の協力の下に行い、結果の解釈については菅野(研究分担者)と討論を行った。この解析によると、手指運動負荷時の最も強い脳賦活部位である一次運動野およびその他の脳賦活部位におけるBOLD信号増加率とCBFおよびCMRO_2の増加率には有意な相関がみられた。また、従来の仮説と同様にCBFの増加率はCMRO_2の増加率よりも大きく両者の増加率には乖離がみられた。結果としてCMRO_2とCBFの比に相当する脳酸素摂取率(OEF)は脳賦活部位において低下しており、OEFの変化率はBOLD信号の変化率と有意な逆相関を示した。また、手指運動負荷時に観察される脳機能抑制部位においては、CBFおよびCMRO_2の低下がみられたがCBFの変化量はCMRO_2の変化量よりも大きく、結果としてOEFの上昇とBOLD信号の低下がみられた。これは脳賦活部位とは丁度逆の変化に相当する。これらの結果は、fMRIによる脳賦活部位および脳機能抑制部位のBOLD信号変化はCBFとCMRO_2の変化量の乖離による酸化ヘモグロビン濃度の変化に由来するものであるという仮説を直接支持するものである。また、近年行われ始めているfMRIを用いたCMRO_2測定の理論式における未知の定数を本研究の結果から導き出すことも行いこれに成功した。
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Research Products
(5 results)