2004 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞増殖を制御するCa^<2+>透過性チャネルの機能解析
Project/Area Number |
15591327
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
長澤 雅裕 群馬大学, 生体調節研究所, 助手 (50343083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 至 群馬大学, 生体調節研究所, 教授 (60143492)
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Keywords | TRPV / マクロファージ / トランスロケーション / 癌 |
Research Abstract |
1.癌細胞株で発現するTRPVチャネルの検討:TRPV2チャネルがヒト癌細胞株に発現していることを確認した。その他のTRPVファミリーも検討して、どのタイプのTRPVが発現しているのか検討した。 2.チャネル分子の機能解析:CHO細胞にインスリンレセプターを発現させた細胞株にTRPV2を強制発現させて、インスリンで刺激するとTRPV2が細胞膜にトランスロケーションして細胞内のカルシウムの流入が生じた。そこで、刺激に対しての細胞内の局在変化を検討するために、TRPV2と蛍光タンパク質との癒合蛋白発現ベクターをつくり、living cellsでモニターした。血清等の刺激により、チャネル癒合蛍光蛋白が形質膜へのトランスロケーションをおこし、細胞内カルシウムの上昇を起こすのを認めた。 3.細胞増殖因子受容体とTRPV2チャネル蛋白との関連性:インスリン受容体,インスリン様増殖因子受容体の発現ベクターと異所性にTRPV2を強制発現させた細胞株を作製した。CHO細胞にTRPV2を恒常的に発現させると形質膜に変化を認めるようになり、細胞骨格の制御機能とこのチャネル分子との関連性が示唆された。 4.内在性にTRPV2を発現している細胞株による検討:マクロファージでは、TRPVファミリーに属する他のチャネルの発現は極めて低く、主にTRPV2しているのを確認した。また、免疫組織学的検討で、細胞質にdot状の免疫活性を認めた。fMLP刺激によりPI3キナーゼ依存的にTRPV2チャネルが細胞膜にトランスロケーションするのを見出した。これがfMLPによる持続的な[Ca2+]c上昇に関与していることが明らかになった。マクロファージのchemtaxisにおける細胞内カルシウムの上昇にTRPV2が関与していることが判明した。TRPV2は細胞骨格等の制御に関与すると考えられさらに検討した。
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