2003 Fiscal Year Annual Research Report
閉塞性動脈硬化症及び下肢深部静脈血栓症とPAF-AH遺伝子異常との関連について
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15591335
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
海野 直樹 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (20291958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三岡 博 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (10324360)
中村 達 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00090027)
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Keywords | RAF-acetylhydrolase / 閉塞性動脈硬化症 / 高脂血症 / polymorphism |
Research Abstract |
動脈の閉塞に伴い、間歇性跛行や足の冷感を主訴に浜松医科大学医学部附属病院に来院し、閉塞性動脈硬化症(ASO)と診断された患者150人(ASO群)と動脈硬化性疾患の既往歴のない患者158人(control群)に対し、インフォームドコンセントの後に血液を採取し、PAF-acetylhydrolase(PAF-AH)のpolymorphism(SNP:(G^<994>→T in exon 9)について調べcase-control studyを行った。その結果、PAF-AH SNPを有する患者はASO群では53例35.3%であったのに対し、control群では40例25.3%と統計学的に有意にASO群ではPAF-AH SNPが多かった(p<0.05)。患者背景因子として、高脂血症について調べたところ、高脂血症を有した者はASO群では32例21.3%、control群では30例20.9%と両者に有意差はなかった。しかし、ASO患者のうち、脳梗塞、あるいは虚血性心疾患の既往歴を持つ者と、持たない者とでPAF-AH SNP、高脂血症の両面から検討したところ、PAF-AH SNP、高脂血症をともに有する者は、いずれも有さない者に比べ、オッズ比11.5と高率に脳梗塞、あるいは虚血性心疾患の既往歴を持っていることが判明した。このことから、生活習慣病の一つであるASO患者においては、とりわけPAF-AH SNPを有する者では高脂血症を来さぬよう、日々の食生活、運動に気をつけなければならず、医師側もそれぞれの患者に応じたテーラーメイドの生活指導を行うことが重要と考えられた。
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