2006 Fiscal Year Annual Research Report
生体適合性ポリマーを伴った骨髄細胞移植による人工胆管の作製
Project/Area Number |
15591356
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
宮澤 光男 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (20200165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 勇 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60178390)
鳥井 孝宏 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (50364774)
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Keywords | 生体吸収性ポリマー / tissue engineering / 再生医療 / 胆管幹細胞 / 骨髄細胞 / 分化 |
Research Abstract |
成熟胆管細胞の一つの前駆細胞と考えられているoval cellあるいはHering管周囲の細胞がどのように成熟胆管細胞になるか時間的、組織学的な研究はほとんどない。我々は生体吸収性ポリマーで作製した人工胆管をnativeの肝外胆管と置換すると、その移植部分にnativeと同様の胆管が再生してくることを示した(Am J Transplant 2005,1541)。この移植モデルを用い、胆管上皮細胞の細胞起源を組織学的に検討した。(方法)生体吸収性ポリマー製のチューブ状人工胆管(ABD)を用い移植実験を施行した。ABDには移植前、細胞等は播種しなかった。雑種ブタをABD移植のレシピエントとした。胆嚢管合流部付近の総胆管を切断後、総胆管の十二指腸側を結紮。肝側のnativeの総胆管の断端とABDを吻合した。さらにABDの他方断端とその十二指腸を縫合した。neo-bile ductは移植後経時的に採取し組織学的に観察した。胆管幹細胞のマーカーとしてc-kitを用い、成熟胆管上皮細胞のマーカーとしてCK19を用いた。(結果と考察)ABD移植後3週において、c-kit陽性細胞が胆管付属腺様構造を形成している像が認められた。ABD移植後5週では、再生胆管の付属腺様構造部が管状となり、一部がc-kit陽性、一部がCK19陽性となった。移植7週では、付属腺様構造部の胆汁通過側にCK19陽性細胞が認められ、c-kit陽性細胞は凹凸のある胆管付属腺のクリプト部分にわずかに認められた。ABD移植後7週では、多数の付属腺様構造が認められたが、移植後11週では付属腺様構造は融合し数が減少し、上皮を形成していく像が認められた。移植後6ヶ月目には、再生胆管上皮はほぼ1層の立方円柱上皮となり、nativeの胆管と同様となった。(結語)このモデルの肝外胆管再生においては、胆管上皮幹細胞が付属腺様構造を形成し、その付属腺様構造より成熟胆管上皮が再生されてくることが示唆された。
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