2004 Fiscal Year Annual Research Report
肝組織内DNA塩基障害・修復機構よりみた肝細胞癌発生・再発環境の評価
Project/Area Number |
15591379
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 博 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (00232463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 勝 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70166156)
安蒜 聡 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (30251200)
大塚 将之 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (90334185)
石倉 浩 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70222982)
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Keywords | 肝細胞癌 / 発癌環境 / 肝内再発 / 酸化ストレス / 活性酸素 / DNA傷害 / DNA傷害修復機構 |
Research Abstract |
肝細胞癌は通常肝硬変をその発生母地とし、この慢性障害肝における発癌に関わる遺伝子異常を引き起こす一因としてDNAの酸化障害を引き起こす活性酸素類reactive oxygen species(ROS)の産生増加が報告されている。多くのROSのうちhydroxyradical(OH-)はguanine塩基を修飾し強いDNA障害をもたらすが、通常はDNAの修復機構により8-hydroxy-2'-deoxyguanosine(8-OHdG)として除去される。このDNA障害塩基除去修復過程で中心的役割を果たすのがhuman ogg1 gene(hOGG1)である。このDNA傷害・修復機構から肝細胞癌発生・再発環境を評価する本研究において以下の結果が得られている。 [方法] 研究対象としてC型肝炎併存の肝細胞癌40例とControl群として正常肝症例16例の非癌部肝切除標本を用いた。酸化ストレスによるDNA塩基傷害指標となる8-OHdGは抗体による免疫組織染色を行い肝細胞千個中の陽性細胞数を8-OHdG labeling index(8-OHdG L.I.)として,さらに8 hOGG 1のmRNA発現をReal-Time quantitative PCR法を用いて測定した後hOGG1/GAPDHとの比で表し各種臨床パラメータおよび病理組織学的因子と比較検討した。 [結果] 1.8-OHdG L.I.とhOGG1 mRNA発現はControl群に比べHCC非癌部で有意に高かった。 2.各種臨床データと8-OHdG L.I.およびhOGG1 mRNA発現との比較検討では8-OHdG低発現、hOGG1 mRNA高発現および外科的切除断端陰性と微小肝静脈浸潤陰性の各因子が無再発期間延長と相関を示した。 DNA傷害の指標としての8-OHdG及びhOGG1の測定は肝細胞癌治療後の肝内再発環境評価に有用な指標となりうることが示めされた。
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Research Products
(2 results)