2004 Fiscal Year Annual Research Report
消化器疾患におけるプロテアーゼ活性化型受容体の分子機能解析
Project/Area Number |
15591408
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岩垣 博巳 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50240867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西堀 正洋 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50135943)
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Keywords | プロテアーゼ活性化型受容体 / PAR-2 / 肥満細胞トリプターゼ / 細胞増殖促進 / PGE2 / 大腸癌 / 肥満細胞 / nafamostat mesilate |
Research Abstract |
セリンプロテアーゼである肥満細胞トリプターゼが、プロテアーゼ活性化型受容体2(以下PAR-2)を活性化することで大腸癌細胞株の増殖を促進するとの研究成果を受け、ヒト正常大腸及び大腸癌組織へのPAR-2の発現と肥満細胞の発現・分布を検討し、同受容体を介した細胞増殖促進作用における分子機能を解析することを企てた。ヒト正常大腸及び大腸癌組織には恒常的にPAR-2が発現しており、肥満細胞は、正常大腸組織と大腸癌組織の境界部(正常組織側)において高密度に分布していた。次いでヒト大腸癌細胞株:DLD-1を用いてPAR-2刺激のシグナル伝達経路の解析を行った。カルシウムアッセイにおいて肥満細胞トリプターゼとPAR-2アゴニストペプチド(合成)の脱感作を確認し、肥満細胞トリプターゼがPAR-2を介して細胞内カルシウム濃度の上昇を惹起する事を証明した。また、肥満細胞トリプターゼ及びPAR-2アゴニストペプチドによるPAR-2刺激はともにp44/42MAPK及びMEK1/2を活性化し、そのインヒビターであるPD98059によってPAR-2を介する細胞増殖促進作用は有意に抑制された。同様にPAR-2刺激下ではPGE2の合成が促進され、COX-2インヒビターであるインドメタシン及びNS-398によって細胞増殖促進作用が有意に抑制された。これらにより、肥満細胞トリプターゼのPAR-2刺激による細胞増殖促進作用には、MAPキナーゼ経路の活性化とPGE2の合成が関与する事が証明された。さらに、臨床的検討として、PAR-2刺激による細胞増殖促進作用はnafamostat mesilateによって有意に抑制されることを証明した。今後は大腸癌の増殖におけるPAR-2の関与についてさらに解析を進め、プロテアーゼインヒビターの新たな臨床応用指針の確立に着手していく予定である。
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Research Products
(1 results)