2003 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマイクロアレイ作製による食道表在癌のリンパ節転移診断・関連遺伝子の検出
Project/Area Number |
15591409
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
安部 俊弘 山口大学, 医学部附属病院, 助手 (10314808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 正昭 山口大学, 医学部, 教授 (70144946)
丹黒 章 山口大学, 医学部, 助教授 (10197593)
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Keywords | 食道癌 / CGH / マイクロアレイ / リンパ節転移 |
Research Abstract |
食道扁平上皮癌57症例に対し、全例術前に検査の目的を十分に説明し承諾を得た上で、Microdissection法を併用したComparative Genomic Hybridization (CGH)法による染色体、遺伝子異常の解明を行った。その結果と臨床病理学的事項を比較検討し、食道扁平上皮癌に関するリンパ節転移や血行性転移、ひいては予後に関連する染色体・遺伝子異常を解明した。 まず、リンパ節転移に関しては、8番染色体長腕(8q)と20番染色体長腕(20q)の増幅、11番染色体長腕(11q)の欠失が統計上有意差をもって関係していた。血行性転移に関しては、5番染色体短腕(5p)と14番染色体長腕(14q)の増幅が有意に関係していた。また、予後に関しては、5pの増幅が有意に関係していた。対象を31例の表在癌に限局させると、8qおよび20qのgainが無い症例16例は全例リンパ節転移が無いことを確認している。リンパ節転移に関して、これらの染色体領域には、食道扁平上皮癌の進展に関する重要な癌遺伝子または癌抑制遺伝子の存在が強く示唆される。今後、BAC(Bacterial Artificial Chromosome)libraryを利用し、上記染色体異常領域のDNAマイクロアレイを作成し、未知なる癌関連遺伝子を追求する。現在行っていることは、1.BAC library(現有設備)より、目的とする染色体(8q,20q)のDNAをすべて抽出する。 2.抽出したDNAが、本当に目的の染色体に存在することをFISH法を用いて確認する。 3.スポッター(現有設備)により、各染色体毎に採取したDNAをスライドガラスに張り付け、DNAマイクロアレイを作成する。 4.手術標本より抽出した食道扁平上皮癌のDNAと正常ヒトリンパ球より抽出した正常DNAをそれぞれ異なる蛍光色素で標識((Nick translation kit、蛍光色素が必要)し、作製したDNAマイクロアレイに同時にハイブリダイズさせ、両者の蛍光強度の比を読み取り装置(現有設備)で解析することで、異常を示すクローンを同定する。
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Research Products
(1 results)