2004 Fiscal Year Annual Research Report
核内レセプターを介した胆汁酸の大腸発癌修飾の分子機序
Project/Area Number |
15591410
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
梅本 淳 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (60185072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 純子 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (10346611)
堀 均 徳島大学, 工学部, 教授 (90119008)
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Keywords | FXR / 胆汁酸 / COX-2 / 大腸発癌 / COX-1 |
Research Abstract |
【目的】胆汁酸レセプターFXRが胆汁酸による大腸発癌過程の修飾に関与しているかどうかを解明する。 【方法】)FXRをK/0したC57BL/6Nマウスとそのwild typeマウス(7週齢)に対し、大腸癌発癌物質Dimethylhydrazine(DMH,20mg/kg)を週1回×12週間皮下投与しDMH投与開始と共に基礎食(MF)のみ、0.4%CDCA含有MF、0.4%UDCA含有MFの3種類の餌をwild typeのマウス、FXR-K/0マウスの雌雄別に投与した(計12群)。43週齢で犠牲死させ、大腸を摘出し正常大腸粘膜および腫瘍組織からRNAを抽出し、大腸発癌に関連する遺伝子COX-1、COX-2のmRNA発現量をReal Time PCRを行い検討した。 【結果】(1)COX-1、COX-2の遺伝子発現はFXRをK/0することにより増加していた。CDCAの投与群ではFXRのK/0に関わらずCOX-1の発現が著明に増加していた。対照的にCOX-2の発現はFXRのK/0に関わらずCDCA投与により変化を受けなかった。また、UDCAはwildではCOX-1、COX-2とも発現を上昇させたが、FXR-K/0では変化しなかった。WildではCOX-1、COX-2の発現は正常粘膜よりも腫瘍が高かった。(2)雄においては、FXRをK/0すると対照群やCDCA投与群における腫瘍発生個数が抑制された。UDCA投与群ではFXRのK/0群で腫瘍発生が抑制される傾向が見られた。 【考察】FXRがCOX-1、COX-2発現に影響を与えること、UDCAはFXRを介してCOX-1、COX-2発現を変化させることが示唆された。また、CDCAがFXRを介して大腸発癌を促進している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)