2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト膵癌細胞の浸潤・転移に関与する新しい遺伝子の解析(2)
Project/Area Number |
15591415
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
自見 政一郎 宮崎大学, 医学部, 助手 (90363598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江藤 忠明 宮崎大学, 医学部, 助手 (30322316)
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Keywords | 膵癌細胞 / 転移浸潤能 / トロンビン / PAR-1 / ヴィトロネクチン |
Research Abstract |
1)Proteinase-activated receptor-1(PAR-1)は、癌の浸潤転移に関与するとの報告がなされてきた。PAR-1は膜7回貫通型G蛋白共役型受容体で、Thrombinによってその細胞外N末端が切断され、新たにできたN末端がレセプター自身に結合することで活性化されることが知られているが、癌細胞でのPAR-1の発現ならびに生物学的意義は、未だに不明である。当教室で樹立されたヒト膵癌細胞株であるSUIT-2とその亜株を用いてPAR-1の発現、増殖能および細胞外基質への接着能に関して検討した。PAR-1mRNAの発現をReal time PCR法にて測定し、細胞増殖能の測定にはMTT法を用いた。細胞外基質vitronectinに対する接着能をMTT法を用いて検討した。さらに、PAR-1 agonistであるTRAP-6,とantagonistであるSCH79797を用いて接着能の変化を検討した。PAR-1の発現は全ての細胞株で認められた。多くの細胞株でThrombinによる刺激で有意に増殖が促進され、vitronectinへの細胞接着能が亢進した。その接着能はPAR-1 agonistであるTRAP-6の刺激で亢進し、逆にantagonistであるSCH79797にて抑制された。ヒト膵癌細胞株においてThrombinによるPAR-1の活性化がその増殖能、接着能に関与していると考えられた。 2)また、この研究の中で我々は新しいヒト膵癌培養細胞株(SUIT-4)を樹立できた。この細胞株はヌードマウスの皮下で形成された腫瘍は中分化腺癌の組織像を呈した。移植されたヌードマウス21匹中6匹でリンパ節転移を生じ、21匹中4匹で肺転移を生じ、高転移能を有する細胞株だった。 (研究発表1) 今後はこの細胞株も含めて浸潤転移に関与する遺伝子解析を行う予定である。
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Research Products
(5 results)