2003 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンDによる膵癌の増殖・転移抑制に関与する遺伝子の網羅的解析とその応用
Project/Area Number |
15591416
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
江藤 忠明 宮崎大学, 医学部, 助手 (30322316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
自見 政一郎 宮崎大学, 医学部, 助手 (90363598)
千々岩 一男 宮崎大学, 医学部, 教授 (90179945)
岩村 威志 宮崎大学, 医学部, 助教授 (50151759)
前原 直樹 宮崎大学, 医学部, 助手
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Keywords | 膵癌 / ビタミンD / 増殖・転移抑制 |
Research Abstract |
膵癌培養細胞株SUIT-2の種々の亜株を用いた予備実験より,活性型ビタミンDによる増殖抑制の程度に大きな差のある3種類の細胞株(増殖抑制なし/中等度抑制/高度に抑制)を見いだした.特に細胞増殖が濃度依存性に高度に抑制されるS2-028株は他の亜株と比較してVDRを高発現し,活性型ビタミンD投与によりin vitroでそのmRNAレベルがupregulateされた.VDR発現の違いと増殖抑制のレスポンスの違いに相関がみられることから,その増殖制御がビタミンD受容体を介したメカニズムが最も有力である.さらにこの反応がどの様な遺伝子群を制御し,どのようなメカニズムで増殖抑制につながるのか,cDNAアレイを用いた解析システムで検討を進めていく予定である. 現在SUIT-2およびその亜株の発現遺伝子プロフィールについてcDNAアレイを作製し検索中であるが,感度・精度・再現性に問題があるため1 color hybridizationから2 color hybridizationに変更する作業を行っている.ヌードマウスを用いて同所性(膵)および異所性(脾)に細胞を移植する肝転移モデルはいまだ準備段階である.肝転移以外に予期しない腹膜播種を生ずる問題もあり,実験に適した肝転移モデル作製には至っていない.手技が確立し安定した実験モデルが得られれば,転移抑制実験を開始する予定である.
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