2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗アポトーシス分子の誘導による手術時における虚血再灌流傷害の予防
Project/Area Number |
15591421
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Research Institution | Sapporo Medical University School of Medicine |
Principal Investigator |
八木橋 厚仁 札幌医科大学, 医学部, 講師 (40260757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 直樹 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10158644)
辻 直樹 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00347171)
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Keywords | Survivin / 虚血再灌流障害 / アポトーシス / preconditioning / 肝類洞壁細胞 / 抗アポトーシス分子 |
Research Abstract |
虚血再灌流傷害時に、血管内皮細胞や臓器実質細胞で活性酸素の産生やcaspase活性が亢進し、アポトーシスが誘導される。そこで、短時間虚血によるpreconditioning効果に、caspase活性を直接阻害する抗アポトーシス分子が重要な役割を果たしているか否かを検討した。 Preconditioningした肝組織の免疫染色では、survivin、hsp、bcl-2の蛋白が再灌流後6-12時間で同時に発現していた。そこで、WKAラットを用いて、肝組織に短時間虚血(30min)を加えてpreconditioningし、12時間後に再度部分肝阻血(30min)を施行した群と無preconditioningおよび再度部分肝阻血に対するsham群をそれぞれ作製した。灌流後のサイトカインおよびAST、ALT、LDHを経時的に測定した。肝組織の傷害は、HE染色し検討した。 その結果、preconditioningし再度部分肝阻血した群は、sham-ope施行12時間後部分肝阻血し再灌流した群に比べ、肝組織の傷害は軽減された。その程度は、preconditioning12時間後にsham-opeを施行した群と同程度まで軽減されていた。一方、サイトカインおよび生化学検査では、preconditioningし再度部分肝阻血した群は、sham-ope施行12時間後部分肝阻血し再灌流した群に比べ、TNF-αの産生は軽減され、AST、ALT、LDHは低下した。その程度は、preconditioning12時間後にsham-opeを施行した群と同程度まで軽減または低下した。 以上の結果から、hsp70のみならずsurvivinの誘導が、短時間虚血による再灌流傷害抵抗性獲得、つまりアポトーシス抑制に関与していることが示唆された。
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Research Products
(2 results)