2004 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌細胞におけるlaminin‐5 γ2 chain発現機構の解明
Project/Area Number |
15591440
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
正木 忠彦 杏林大学, 医学部, 講師 (30238894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 展次 杏林大学, 医学部, 助手 (40266747)
松岡 弘芳 杏林大学, 医学部, 助手 (60301488)
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Keywords | 大腸癌 / 浸潤 / 簇出 / laminin-5 γ2 chain / MMP-7 |
Research Abstract |
【背景】laminin-5 γ2 chainは本来基底膜に存在する。PykeらやSordatらはlaminin-5 γ2 chainが浸潤先進部から遊離する癌細胞の細胞膜に強く発現することを報告した。われわれも大腸sm癌においてlaminin-5 γ2 chainが浸潤先進部で強発現すること、リンパ節転移・局所再発と有意に関連することを見出した(Dig Dis Sci 48:272-278,2003)。一方、MMP-7についても同様の結果を見出している(Br J Cancer 84:1317-1321,2001)。さらにlaminin-5 γ2 chainとMMP-7が協調して簇出を高度にする傾向があることも見出した(Dig Dis Sci 48:1262-1267,2003)。以上の結果からMMP-7とlaminin-5 γ2 chainの発現の間に何らかの関係があることが示唆された。その機序を解明することを本研究の目的とした。 【方法】1.大腸癌細胞株L-10,DLD-1,SW620を用い、鍋島らが報告した癌細胞cohort migration modelを再現する。2.移動した癌細胞においてlaminin-5 γ2 chainとMMP-7の免疫染色を行い発現のパターンを検討する。3.MMP-7弱発現の細胞に合成したMMP-7を添加し、laminin-5 γ2 chain発現の変化を検討する。 【今まで得られた結果】1.L-10細胞株のcohort migration modelの再現に成功した。スライドチャンバーに植えたL-10細胞(1.5×10^5)がいくつかの島状の細胞集団を形成し,それらの集団から遊離して行く大型の移動細胞が観察された。2.HGFを添加すると移動細胞数の増加が観察された。HGF添加12時間後の移動細胞数は無HGF群に比べ有意に増加した[HGF群/無HGF群=2.8倍(P<0.001)]。3.laminin-5 γ2 chainとMMP-7抗体による免疫染色の結果:無HGF群では集団細胞の辺縁部の癌細胞にlaminin-5 γ2 chainが強発現していたが,migration cellsにおいてはlaminin-5 γ2 chainは発現していなかった。HGF添加群でもlaminin-5 γ2 chainの発現パターンは同様であった。またMMP-7はlaminin-5 γ2 chainより低発現であった。
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Research Products
(1 results)