2003 Fiscal Year Annual Research Report
PPARγリガンドによる大腸癌肝転移制御とその作用機作に関する基礎的研究
Project/Area Number |
15591442
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
西堀 英樹 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10228207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高野 正太 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90338070)
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Keywords | 大腸癌 / 肝転移 / PPARγ |
Research Abstract |
【はじめに】本年度は,PPARγリガンドによる大腸癌肝転移抑制効果を明らかにすることを目的とし,大腸癌高転移細胞株HT-29に対するPPARγリガンドpioglitazoneの増殖抑制,肝転移抑制を検討した.【方法】1)pioglitazoneによるHT-29の増殖抑制をcell proliferation assayにより検討した。2)SCIDマウスを用いHT-29の脾注肝転移モデルを作成,pioglitazone 200mg/kg経口投与による肝転移抑制効果を肝重量および転移結節数により検討した.【結果】1)pioglitazoneによりHT-29の増殖抑制が濃度依存性(10〜100μM)および時間依存性(2-6days)に認められた.2)pioglitazone投与によりSCIDマウス肝転移モデルにおいて,肝転移結節数は対照群9.8±5.5,pioglitazone投与群4.9±3.9(p<0.05),また肝重量は対照群1.28±0.17g,pioglitazone投与群1.11±0.14g(p<0.05)であり,pioglitazoneにより肝転移が有意に抑制された.【結語】pioglitazoneは大腸癌高転移細胞株に対して増殖抑制,肝転移抑制効果を示し,PPARγリガンドによる大腸癌肝転移制御への応用の可能性が考えられた.次年度は,その作用機作に関しての検討を進める予定である.
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