2004 Fiscal Year Annual Research Report
組織血流測定を用いた食道癌手術時の消化管吻合をより安全にするための研究
Project/Area Number |
15591443
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
池田 佳史 帝京大学, 医学部, 講師 (20222870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新見 正則 帝京大学, 医学部, 助教授 (80198415)
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Keywords | 組織血流量 / 胃管 / lipo-PGE1 / Laser-Doppler flowmetry法 |
Research Abstract |
(対象と方法) ブタ15匹(平均体重35kg)を全身麻酔下に開腹して右胃大網動脈を栄養血管とする大弯側胃管を作成した。コントロールとして生理食塩水群(5例)PGE1投与群(5例)、lipo-PGE1投与群(5例)に、それぞれ0.05μg/kg/minで10分間の投与を行い、投与前、投与中、投与終了10分後に血流量とPGE1濃度を測定した。血流量は組織血流計を用いて同社のS型プローブを直接胃管の奨膜面に接触させ、胃管先端から4cmの部位の組織血液量を測定する。PGE1濃度は各時点で採血しProstaglandin E1 Enzyme Immunoassay Kitを用いて測定した。 (結果) (1)組織血流量の検討:コントロール群、PGE1群とlipo-PGE1群の薬剤投与前血流量は、それぞれ7.8±1.0ml、7.6±0.5ml、8.1±1.0mlと有意な差はなかった。薬剤投与中は、コントロール群には血流の変化は認められなかったが、PGE1群とlipo-PGE1群では13.0±1.3ml、13.9±1.4mlと有意に増加した(p<0.01)。しかし、投与終了10分後では、PGE1群は8.1±1.1mlと有意に減少した(p<0.01)のに比較して、lipo-PGE1群では13.6±1.3mlと増加したままであった。 (2)PGE1濃度の検討:コントロール群、PGE1群とlipo-PGE1群の薬剤投与前血流量は、それぞれ52±9、51±9、49±12pg/mlと有意な差はなかった。薬剤投与中は、コントロール群には血流の変化は認められなかったが、PGE1群とlipo-PGE1群では229±21と225±9pg/mlと有意に増加した(p<0.01)。しかし、投与終了10分後では、PGE1群、lipo-PGE1群ともに59±5、131±17pg/mlと有意に減少した(p<0.01)がlipo-PGE1群のPGE1濃度はPGE1群に比較して有意に高かった(p<0.01)。
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