2003 Fiscal Year Annual Research Report
胸部大動脈壁バイオメカニクスの局所定量的評価法の開発
Project/Area Number |
15591465
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
崔 禎浩 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (60312576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 正明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111371)
西條 芳文 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (00292277)
田林 晄一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90142942)
熊谷 紀一郎 東北大学, 医学部附属病院, 医員
小田 克彦 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60323002)
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Keywords | 大動脈瘤 / 超音波 / バイオメカニクス / ストレイン / 超音波組織性状診断 / 組織速度 |
Research Abstract |
大動脈瘤のバイオメカニクスの計測は、これまで主に大動脈瘤内部の血流情報からのアプローチであり、大動脈壁の厚みや弾性は均一として計算されてきた。しかし実際には、大動脈壁の硬さなどの機械的特性は不均一であり、大動脈瘤の進展や破裂を予期するには、大動脈壁の特性を計測する必要がある。本研究の目的は、臨床応用が可能な、超音波による大動脈壁の機械的特性の計測システムを構築し、その妥当性について動物実験を用いて検討することである。具体的には、超音波の強度情報および位相情報の解析により、通常の臨床超音波診断の10倍以上の情報量を解析するシステムを作成することである。 平成15年度には、計測システムの構築を主眼においた研究を行った。臨床診断用超音波装置から反射波のRadio frequency(RF)信号を取り出し、ワークステーションに保存した。このRF信号データから、通常の超音波画像を作成すると同時に、距離依存性の超音波減衰を自動補正するアルゴリズムによるIntegrated Backscatter Imagingを作成した。また、隣接するフレーム間の同一部位のRF信号の相関と変位を計算し、相関係数O.7以上の部位の1/30秒間の変位を、組織の移動速度として、Tissue Velocity Imagingと名づけた。さらに、冠動脈内圧の差と組織速度の空間変位から血管壁内のひずみを計算し、Tissue Strain Imagingも作成した。本システムにより、種々の超音波画像を評価したところ、ハードプラークではひずみがほとんど認められないのに対し、ソフトプラークではひずみが大きく、また、心周期によりひずみ分布が大きく異なることが示された。平成15年度の研究成果により、大動脈壁のバイオメカニクス計測システムとしての有用性が示された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Saijo Y, Hozumi N, Kobayashi K et al.: "Fast Fourier transform acoustic microscopy for biological tissues"Ultrasound Med Biol. 29・5s. S20-S20 (2003)
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[Publications] Saijo Y, Kobayashi K, Arai H et al.: "Pocket-size echo connectable to a personal computer"Ultrasound Med Biol. 29・5s. S54-S54 (2003)
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[Publications] Saijo Y, Tanaka A, Owada N et al.: "Intravascular tissue velocity imaging of coronary artery"Ultrasound Med Biol. 29・5s. S173-S173 (2003)
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[Publications] Takahashi G, Tabayashi K et al.: "MCI-186 prevents spinal cord damage and affects enzyme levels of nitric oxide synthase and Cu/Zn superoxide dismutase after transient ischemia in rabbits"J Thorac Cardiovasc Surg. 126. 1461-1466 (2003)
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[Publications] Oda K, Tabayashi K et al.: "Use of cuffed anastomosis in total aortic arch replacement"Ann Thorac Surg. 76. 952-953 (2003)
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[Publications] Moizumi Y, Tabayashi K et al.: "Clinical features and long-term outcome of type A and type B intramural hematoma of the aorta"J Thorac Cardiovasc Surg. 127. 421-427 (2003)
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[Publications] Saijo Y, van der Steen AFW: "Vascular Ultrasound"Springer-Verlaq. 328 (2003)