2005 Fiscal Year Annual Research Report
肺移植におけるV型コラーゲンによる経口寛容の誘導と機構解析
Project/Area Number |
15591466
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
関根 康雄 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (70312957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安福 和弘 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (60372356)
山田 義人 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (80375691)
藤澤 武彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80110328)
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Keywords | 肺移植 / 経口寛容 / V型コラーゲン / 拒絶反応 |
Research Abstract |
本研究では肺移植におけるV型コラーゲン[col(V)]経口寛容の誘導と機構解析を行ってきた。F344からWKYへのラット同種肺移植モデルを使用し、経口寛容の誘導にはレシピエントであるWKYに術前col(V)を隔日で1回10μg、計8回経口投与後、F344の同種左肺移植を行い、tolerant ratを得た。Tolerant ratの脾臓より分離したCD4+及びCD8+T細胞1x10^7個を各々normal WKYに静注しadoptive transferを行い、その後F344から同種肺移植を行った。以上により得られた2群:CD4+T細胞adoptive transfer群及びCD8+T細胞群において、Rejection pathology、各種抗原に対する遅延型過敏反応即ちDTH反応、Cytokine、及びMixed lymphocyte reactionを検討してきた。無治療untreated allograftにおいてはドナーアロ抗原、即ちF344脾細胞を耳たぶに皮下注射すると強いDTH反応を認めたが、Tolerant CD4+T細胞注入群ではアロ抗原に対するDTH反応が有意に抑制されていた。一方CD8+T細胞群では強いDTH反応を示した。また、術後2週間におけるRejection pathologyの比較ではCD4+T細胞群では移植急性拒絶反応が抑制されていた。ELISA法を利用して対象群血清中のTGF-betaを測定した結果、CD8+T細胞群では正常WKYと比較して軽度上昇していたが、CD4+T細胞群においては他の2群と比べて有意に高い値を示した。またTolerant CD4+T細胞のadoptive transferにより抑制されていたDTH反応は、抗TGF-beta抗体により、再び強いDTH反応を認めた。MLR培養液中のTGF-betaの検討ではtolerant allograftのCD4+T細胞ではTGF-betaが産生されていることを証明した。以上より、V型コラーゲンよる経口寛容によりCD4+調節性T細胞が誘導され、CD4+T細胞が産生するTGF-betaがV型コラーゲン経口寛容による急性拒絶反応の抑制の機序に関与していることを証明した。
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