2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳血管症患、特に脳梗塞の既往を有する症例に対する順行性選択的脳潅流法の確立
Project/Area Number |
15591468
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
数井 暉久 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20094203)
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Keywords | Total arch replacement / Antegrade cerebral perfusion / Cerebral protection / Cerebral infarction / Eduravone / SEP / 8-OHdG / MDA |
Research Abstract |
これまで我々は、脳梗塞を有する脳に対するASCPの影響について脳梗塞犬モデルを用いて検討し、人工心肺を用いた超低体温下(直腸温20℃)ASCPを120分間行うと、脳梗塞を有する群において復温中の嫌気性代謝が亢進しASCP中の脳虚血の可能性があることを示した。さらに同モデルにおけるpH managementの差による脳保護効果の検討では、ASCP中からのmalondiadehyde, glutaminateの上昇、ASCP後のsomatosensory evoked potential(SEP)におけるcentral couduction timeの延長とamplitudeの低下をいずれも脳梗塞モデルalpha-atat群に認め、脳梗塞を有するhigh risk群におけるpH-atat managementの脳保護効果を示した。 今回我々は、ASCPによる中枢神経細胞内でのfree radicalの発生が術後脳機能障害に多大な影響を与えると考え、予防的なfree radical scavenger(edaravone)投与の脳保護効果を検証した。同脳梗塞犬モデルにおいてASCP直前にedaravoneを投与することにより、非投与群と比較したASCP中からの血中8-OHdGの減少と、ASCP後のSEPにおけるcentral conduction timeの延長とamplitudeの低下を認めた。これは、脳梗塞を有するhigh risk群に対するASCPにおける術中の脳虚血がedaravoneを投与することで予防、軽減されることを示唆し、さらなる弓部大動脈手術成績の向上に寄与する可能性があると考えられる。
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