2003 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性脊髄障害に対する神経幹細胞移植による脊髓再生
Project/Area Number |
15591469
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
寺田 仁 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (80334978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 宏樹 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60198405)
徳山 勤 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助手 (90313957)
数井 暉久 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20094203)
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Keywords | 脊髄虚血 / 神経幹細胞移植 |
Research Abstract |
平成15年度はこの研究をすすめるにあたり、以下の点を中心に実施いたしました。 1.ラット脊髄虚血モデルの作成 ウサギ脊髄虚血モデルはこれまでの研究によりその作成方法は確立されているが、本実験で用いるラットの場合、虚血モデルを安定して作成することが困難である。このため、さまざまなアプローチで安定モデル作成を目指した。文献的にも見受けられるバルーン付きカテーテルによる作成は頸動脈から挿入するため、侵襲も大きく動脈自体も非常に細いため、極めて困難な手技である。そのため直接大動脈遮断による作成を考慮した。ペントバルビタールを主成分とした麻酔薬を腹腔内投与することで全身麻酔を行い、胸骨正中切開アプローチで、遠位弓部大動脈遮断。脊髄虚血を誘発するにはこれが最も確実な手段であるが、胸骨切開の侵襲が大きく、安定モデル作成には不適当であった。このため、人工呼吸を行い左肋間開胸アプローチで、胸部下行大動脈遮断を行うことが最も安定すると考えられた。この方法により、ラット脊髄虚血モデルの作成は可能となった。 2.神経幹細胞移植の実際 今年度はここで作成したラット脊髄虚血モデルに対して、神経幹細胞を移植するが、神経幹細胞は難波らのグループがすでに持っているため、ラットの椎弓切除を行いこの細胞を移植、虚血から移植まで1週?4週のさまざまな間隔で実施し、もっとも有効な時期を明らかにしたい。移植後約1ヶ月での生着具合をさまざまな染色法を用いて明らかにする予定である。
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