2003 Fiscal Year Annual Research Report
心臓虚血再灌流障害における活性酸素の動態の解明:電子スピン共鳴装置を用いた研究
Project/Area Number |
15591478
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
徳永 滋彦 九州大学, 大学病院, 助手 (80346775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 茂樹 九州大学, 大学病院, 助教授 (70243938)
西田 誉浩 九州大学, 大学病院, 助手 (50284500)
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Keywords | 活性酸素 / 虚血再灌流障害 / 電子スピン共鳴装置 / 白血球 |
Research Abstract |
心筋の虚血再灌流障害に関して、再灌流後に活性酸素が大量に発生し心筋を障害することが知られており、これまでにこの活性酸素の影響を軽減するために多くのstudyがなされてきた。しかしながら、その結果は動物種、実験系、測定項目のちがいから一定の見解を得ていない。特に活性酸素の測定方法に関しては、活性酸素がshort lifeであることもあり直接測定することが難しかった。当施設では、ウサギの摘出灌流心モデルにおいて電子スピン共鳴装置を用いスピンプローブ法で・OHを直接測定し、・OHの産生が再灌流直後から亢進しており(Free radical burst)、その後徐々に漸減するも60分にわたって虚血前と比較して・OH産生が亢進していることを明らかにした。さらにその発生した・OHを消去することで再灌流後の心機能の低下を抑制することを明らかにした。本年度の実験では、再灌流時に発生する・OHの産生源として重要な白血球を除去した状態で虚血後、再灌流を行うことで、・OHの産生が抑制されるか否かを測定することで、白血球が再灌流時に産生する・OHが心機能にどれくらい影響を及ぼしているのかを検討した。白血球を除去することで再灌流2分後に産生される・OHはコントロールと比較して有意に低くなっていた。心機能は再灌流60分後でLVDPはコントロール群60.1±5.6mmHg、白血球除去群78.0±16.3mmHg、dP/dtはコントロール群1182±127mmHg/s、白血球除去群1516±438mmHgと有意に白血球除去群で良好であった。心筋障害の指標となるCPK-MBにおいてもコントロール群63.2±30.2ng/ml、白血球除去群29.5±15.0ng/mlと白血球除去群で良好であった。
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